35社超150名の企業リーダーを調査した結果、
リーダーには二つのタイプがあり、
1、消耗型リーダー(diminisher)
2、増幅型リーダー(multiplier)
があるそうです。そして、その5類型が示されています。
消耗型リーダーの5類型は以下の通り。
帝国建設者型:人材を囲い込み、才能を十分に活用しない。
専制君主型:人々の思考と能力を抑制するような張り詰めた環境をつくり出す。
知ったかぶり型:自分がいかに物知りであるかをひけらかすような指示をする。
意思決定者型:中央集権型の唐突な決定を下して、組織を混乱させる。
マイクロ・マネージャー型:みずから関わって成果を上げようとする。
増幅型リーダーの5類型は以下の通り。
人材勧誘者型:有能な人材を惹き寄せ、その能力を最大限に活用する。
解放者型:ベストな思考と仕事が求められる厳しい環境をつくり出す。
チャレンジャー型:チャンスを明らかにして、部下に能力いっぱいに考えさせ、行動させる。
議論仕掛人型:チーム・メンバー同士での活発な議論を奨励し、健全な決定を導く。
投資家型:部下には成果に対する当事者意識を持たせ、自分は成功に投資する。
消耗型リーダーは、自分がその職場で一番賢明だと思っているけれど、
増幅型リーダーは、自分をコーチや教師だと心得ているのだそうです。
さて、あなたはどのタイプでしょうか?
消耗型リーダーに当てはまりそうな人は、気をつけましょう。
懸命に努力すれば、増幅型リーダーになることはできると
この論文には書いてあります。
また無意識の消耗型リーダーというのもあるそうですので、
気をつけましょう。
自分の上司や他の部署の上司など、いろいろ考えられそうです。
これを読みながら感じたのは、
私の上司であった市川一朗先生は、
確かに「増幅型リーダー」でした。
分単位のスケジュールで忙しい時でも、若干の時間があるときは、
部屋で議論し、徹底的に考えさせられました。
大事な案件がいくつかあるときでも、
考え方の大枠を説明され、考えさせられた後は、
「あとは渡辺くんに任せるよ」
といろんな仕事を信頼して任せてくださいました。
私は出来が悪かったので、
何回かもちろん失敗したこともありましたが、
そのときは、私のせいにすることなく、
自分が悪かったな、ということをおっしゃる人でした。
研修の類がない世界でしたので、
究極のOJTだったようにもいま思うと感じます。
先生の質問による思考の促し方というのは、
いまの自分の力になっているようにも思います。
部下を成長させるチャンスを与えてくれたのだなあ
といまになって思いますが、
機会があれば今度は私が「増幅型リーダー」になってみたいものです。
Multipliers: How the Best Leaders Make Everyone Smarter [ハードカバー]
Liz Wiseman , Greg Mckeown参考サイト:
http://multipliersbook.com/この『DIAMONDハーバードビジネスレビュー』は、
1冊2000円で、雑誌として考えると非常に高い値段なのですが、
ここにつまっている多くの論文を読めると思えば、
かなり安いものなのではないかと思っています。
来月1月号は「日本軍に学ぶ敗北の教訓」ということで、
また興味深い論稿が多くありそうです。
『DIAMONDハーバードビジネスレビュー』特集 人を潰す会社 人が輝く会社
ハイ・ポテンシャル人材の条件
あなたは企業に選ばれた存在か
ダグラス A. レディ ロンドン・ビジネス・スクール 客員教授
ジェイ A. コンガー クレアモント・マッケンナ・カレッジ 教授
リンダ A. ヒル ハーバード・ビジネス・スクール 教授
人材育成:6つの過ち
有望な社員が会社を去る時
ジーン・マーティン
コーポレート・エグゼクティブ・ボード コーポレート・リーダーシップ・カウンシル エグゼクティブ・ディレクター
コンラッド・シュミット
コーポレート・エグゼクティブ・ボード コーポレート・リーダーシップ・カウンシル エグゼクティブ・ディレクター兼チーフ・リサーチ・オフィサー
情報技術が人事管理を変える
「人材分析学」がもたらす競争優位
トーマス H. ダベンポート バブソン大学 特別教授
ジェーン・ハリス アクセンチュア ハイパフォーマンス・ビジネス研究所 エグゼクティブ・リサーチ・フェロー
ジェレミー・シャピロ モルガン・スタンレー 人事担当エグゼクティブ・ディレクター
あなたは部下を消耗させてはいないか
組織の知力を引き出すリーダーの条件
リズ・ワイズマン ザ・ワイズマン・グループ プレジデント
グレッグ・マキューン ザ・ワイズマン・グループ パートナー
非公式ネットワークの活用法
社員のコミュニティが問題解決力を高める
リチャード・マクダーモット マクダーモット・コンサルティング 社長
ダグラス・アーチボルド ウォーリック・ビジネス・スクール アソシエート
慢性的な過負荷からの脱却
社員を追い詰める「加速の罠」
ハイケ・ブルッフ ザンクト・ガレン大学 教授
ヨッヘン I. メンジス ケンブリッジ大学 ジャッジ・ビジネス・スクール 講師
組織を蝕む負のスパイラル
職場の「妬み」を克服する
ターニャ・メノン シカゴ大学 ブース・スクール・オブ・ビジネス 准教授
リー・トンプソン ノースウェスタン大学 ケロッグ・スクール・オブ・マネジメント 教授
複合的対策で社員を救う
情報の洪水に対処する法
ポール・ヘンプ ハーバード・ビジネス・レビュー コントリビューティング・エディター
新規チームと既存部門のパートナーシップ構築
イノベーションをめぐる対立を解消する
ビジャイ・ゴビンダラジャン ダートマス大学 タック・スクール・オブ・ビジネス 教授
クリス・トリンブル ダートマス大学 タック・スクール・オブ・ビジネス 准教授
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論語の「上司」論
【第2回】自信家の部下の個性を伸ばす〈1〉
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従業員第一主義こそ起点
ビニート・ナイア HCLテクノロジーズ 代表取締役社長
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長期的ビジョンを通じて世界共通の欲求に訴えかける
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