タイトルは流行に乗っていますので、
それではと原題を確認してみると
『Even Happier』とシンプルなタイトル。
日本人は本をタイトルで買うということなのかもしれません。
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著者は、ハーバード大学で哲学と心理学を学び、組織行動論で博士号を取得。
心理学博士(組織行動論)。
ハーバード大学で受け持った授業には、1学期当たり約1400名の学生(ハー
バード大学全学生の約2割に相当)が殺到し、『ニューヨーク・タイムズ』紙、
『ボストン・グローブ』紙など、メディアで大きく取り上げられた。
講義科目は「ポジティブ心理学」(ハーバード大学2006年度受講生数第1位)、
「リーダーシップ心理学」(同3位)。現在はイスラエルのヘルツリヤ学際
センターで教鞭を執る一方、講義・講演などで世界を飛びまわっている。
(以上本書より引用)
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ハーバード大学の授業というと、
むずかしそうな話だろうと思ってしまいますが、
とてもわかりやすく、
読みやすい構成になっています。
人気の授業になるのもわかるような気がしました。
そしてもう一つの人気の秘密は、
「リフラクション(反映させて行動する)」というところにあるようです。
学んだことをいかに実践に生かすかということに
重点が置かれていて、
ちょっとしたことではあるけれども、
頭だけの理解ではなくて行動にうつせるよう、
具体的事例が書かれています。
たとえば、
「決断をする」という項目があります。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのCEO(最高経営責任者)
ジム・バークの話です。
バークが仕事をはじめたばかりのころ、
自分の開発した商品が大失敗してしまい、
当時会長だったジョンソンに呼ばれたそうです。
バークはクビを覚悟していました。
ところが、ジョンソンは握手を求めてこう言ったそうです。
「おめでとうを言いたくて君を呼んだんだ。ビジネスとは決断だ。決断を
しなければ失敗もない。
私のいちばん難しい仕事は、社員に決断するようにうながすことなんだよ。
もう一度誤った同じ決断を下せば、クビにする。でも他のことなら、どん
どん決断をしていってくれ。
そして成功するよりも失敗することのほうが多いということを君にもわかっ
てほしいと思っている」
この事例の後、著者はあなた(読者)の働いている組織の失敗について
考えるよう提案しています。
そこから学ぶことはあるかなど、読者に思考をさせようとしています。
そして最後に行動を促し、
「過去1年間であなたの決断が直接の原因となった失敗の中で、最悪のものを
3つ書いてください」
と読者にメッセージを書いています。
読みながら、偶然ではありますが
就活キュッカでみんなで考える手法と似ているような気がしました。
就活キュッカの場合はみんなの知恵で、
思考を促し、行動をするように考えるわけですが、
この本のいくつかの知恵は就職活動だけではなく、
日々の生活にも生かせるのではないかなと感じました。
タル・ベン・シャハー『ハーバードの人生を変える授業』(第76号 10/11/29発行)
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