2010/11/03
ロシアに対する交渉術
今日は、文化の日です。祝日法では、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日になっています。
みなさんはどのような一日をお過ごしでしょうか。
日本国憲法公布の日でもあり、明治天皇の誕生日、明治節でもあります。
さて、今日オススメの本は、
司馬遼太郎『菜の花の沖』
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【以下amazonより引用】
江戸後期、淡路島の貧家に生れた高田屋嘉兵衛は、悲
惨な境遇から海の男として身を起し、ついには北辺の
蝦夷・千島の海で活躍する偉大な商人に成長してゆく…。
沸騰する商品経済を内包しつつも頑なに国をとざし続
ける日本と、南下する大国ロシアとのはざまで数奇な
運命を生き抜いた快男児の生涯を雄大な構想で描く。
【引用ここまで】
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当時、ロシア軍は南下政策をとり、
虎視眈々と日本の領土を狙っていました。
1811年、幕府は
国後島に上陸したゴローニン海軍中佐を拿捕、
抑留をしました。
翌年ロシアは、
国後島沖で日本船の観世丸を拿捕。
このときに、観世丸に乗っていた高田屋嘉兵衛は、
シベリアに抑留されてしまいました。
この鎖国の時代に大きな考え方で
ビジネスを成長させていった主人公ですが、
彼はロシア軍に捕まり、シベリアに抑留されても、
決して卑屈になったり、媚びたりしなかったそうです。
そして相手と堂々と渡り合っていきます。
ロシアの少年にロシア語を学んだりしながら、
ロシア軍の幹部と交渉を重ねていきました。
ここで、勉強になるなあと思ったのは、
この日本とロシアの緊張状態のなかで、
自分が橋渡しをすれば相手に
こういうメリットがありますよという提案
を、彼はしています。実際、最終的には、
彼の交渉により、ゴローニンは解放され、
高田屋嘉兵衛自身も、交換条件で帰国することができたのでした。
幕末でさえ、
国後島の実効支配はなされていたのだなと思いつつも、
自分の主張をまっすぐに訴えるだけではなく、
また相手の主張をそのまま受け入れるわけでもなく、
相手のメリットも考えて落とし所に落とすという、
複眼的思考が交渉には必要なのではないか、
ということを感じました。
【今日のオススメ本】
司馬遼太郎『菜の花の沖』
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