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【渡辺勝幸一般質問】【大綱3】税金を支出する基準となる公平性の担保について【第369回宮城県議会】(終)

913(金) 一般質問_190914_0040



9月13日、
第369回宮城県議会(令和元年9月定例会)において、
渡辺勝幸は一般質問に立ちましたので、

このメルマガで数回に渡って、
一般質問の内容等についてお伝えしています。

3回目として、

大綱3 税金を支出する基準となる公平性の担保について

内容をお伝えしたいと思います。

【大綱3】税金を支出する基準となる公平性の担保について

(1)先進的文化芸術創造拠点形成事業については、文化芸術の振興や被災地における心の復興、地域の活性化につながるものと期待しているが、今後の取組・展開はどうか。

次に、大綱三点目、「税金を支出する基準となる公平性の担保について」おうかがいいたします。

今年の八月三日から九月二十九日の日程で、牡鹿半島、石巻市街地、松島湾の各地を会場として、「Reborn-Art Festival 2019」が開催されています。
「いのちのてざわり」をテーマに七地区で現代アート作品の展示、地域の食材や自然を体感するツアー「石巻フードアドベンチャー」や音楽イベントの開催など、地域の文化芸術資源を活用し、被災地域の中長期的な再生と心の復興に資する取組に対して支援を行い、文化芸術が持つ力による心の復興と地域の活性化を推進する目的で、令和元年度当初予算として、先進的文化芸術創造拠点形成事業、約一億円が計上されています。

文化と芸術の振興、心の復興に加え、被災地における地域の活性化に大いにつながる事業であると期待しております。
今後の取組、展開についておうかがいいたします。

(2)「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止となったことについて、知事の所感はどうか。
(3)「表現の自由」と「政治・行政の表現内容への不介入」、「税金支出の公平性」の三点の均衡について、県の見解はどうか。

次に、「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止となったことに関連して、宮城県としての見解をおうかがいします。
一般論として、予算を調製するにあたって重要なことは、
「その時における公共的な欲求は何かを見極める」ということと「限られた予算の中で何をもって優先順位をつけるかという基準をつくること」にあると考えます。

そして、特定の要求が具体化していく過程のなかで、社会を構成する様々な人々がそこに参加し、討論し、納得し、また専門家の意見を聞き、その結果として「私」と「公」の調整が図られれば、みんなが納める税金が公平に使われていると県民の納得が得られるのではないでしょうか。

八月三日、愛知県で開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止になりました。
この一連の騒動を見て、本県で同じようなことがあった場合に
どのように対処すべきかを考えなくてはならないと感じました。
まず私個人としては報道等に接し、その内容については大きな違和感を感じ、二度と見たくないという極めて強い不快感を抱いたところでありますが、これはあくまで私個人の感想、感情の吐露であります。

しかしそんな私のような感情を持つ人が大勢いたとしても、表現の自由は最大限保障されるべきであり、表現者や観客等の安全が確保されないというようなことがない限りにおいては、政治や行政は表現内容に介入しないようにすることが望ましく、平成十三年に成立した、文化芸術基本法においても
「我が国の文化芸術の振興を図るためには、文化芸術活動を行う者の自主性を尊重する」と書かれているところです。

しかしながら、今回の「あいちトリエンナーレ」のように、税金が支出されている以上は、行政が展開する他のあらゆる事業と同様に、公平性の担保が必要であります。

また今回の事例のように、表現者や「観客の心身の安全が確保され」ない事態にまで至ったり、騒動の展開によっては予算の追加支出が生じる可能性が出てくるなど、事業そのものに課題があったのではないかとも思えますし、今回の騒動の大きさを考えれば事前に予見することが可能だったのではないでしょうか。

また、極めて特定の政治的主張が入った表現を取り上げるならば、それに反対する表現者の主張を取り入れることをも想定する、あるいは美術展の内容そのものの事前告知やパブリックコメントをする、またコンテンツの妥当性、政治的タイミングなどを芸術監督が適切に判断すること等が必要だったのではと感じます。
もちろん、民間の美術展においてはこの限りではなく、あくまで税金を支出するという前提の議論であります。

表現の自由は最大限保障されるべきであっても、「行き過ぎた表現に税金を支出することは不適切だ」という民意が大多数になった時にも、展示を実行し「税金支出の公平性」が担保されると果たしていえるのか、これは非常に疑問であります。
もちろん、表現の自由が憎悪の感情を増幅させた結果、表現者と観客に身体の危険を及ぼすぞという脅迫までが行われたことはあってはならないことであり、一歩間違えば、アートとはかけ離れた大変な事態になってしまいかねない状況となっていました。
この「あいちトリエンナーレ」の一件を他山の石として、「表現の自由」、「政治・行政の表現内容への不介入」、「税金支出の公平性」、この三点について本県においてはどのように考えるのでしょうか。

そもそも税金とは何でしょうか。
「社会を支えるための会費のようなもの」であるともいわれます。
もしも税金がなければ多くの公共サービスが有料になったり、
今よりも高額になってしまうこともあり、いかに公平に税金が使われるかは、納税者の理解を得るためにも重要なことであります。
また、税金を納めるためにたくさんの方が苦労をされています。
私も苦労しております。
特に中小企業の会社経営者の方々からは、一円であっても税金を納めることは大変なことであり、苦労して納めた税金は大事に使ってほしいという声をよく聞きます。
そして同時に宮城県がよりよくなっていくならばよろこんで納めるという声も耳にするところです。

税金支出の公平性は、ほとんどの納税者の期待するところであり、税金を支出する「重さ」を理解しなければなりません。

今回の「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止となったことについて、知事の所感と、「表現の自由」、「政治・行政の表現内容への不介入」、
「税金支出の公平性」の三点の均衡についての見解をおうかがいいたします。

(4)最近の日韓関係にかかわらず、県費により設置した観光案内板において「安重根記念碑」を取り上げることは不適切と思うが、県の見解はどうか。

次に、「税金支出の公平性」の観点から、観光案内板についておうかがいいたします。
宮城県栗原市の東北自動車道若柳金成インターチェンジと接続する県道四号線沿いに、「安重根記念碑」の看板があります。
安重根は、朝鮮の独立運動家であり、明治四十二年に内閣総理大臣を四度務めた前韓国統監の伊藤博文を、北満州のハルビン駅構内で襲撃した暗殺者でもあります。
当時、伊藤がロシア要人らと握手を交わしていたところに、群衆を装って近づいていた安重根が、至近距離から拳銃を発砲、三発が命中し、伊藤はこの約三十分後に亡くなりました。

なぜ栗原市にこの安重根の記念碑があるのかといえば、安が獄中にいた時の看守であった栗原市出身の千葉十七(としち)と関係があります。
旅順監獄の看守であった千葉十七は獄中で安重根の思想・人格に感服し師と崇めます。
そして安の真摯な姿と祖国愛に感動し、精一杯の便宜を図り、
また、安重根もその好意に心から感謝したといわれています。
朝鮮総督府での勤務を終え、千葉は故郷仙台で鉄道員として勤めながら、安重根の写真を仏壇に祭り、亡くなるまで一日も欠かさず礼拝し、東洋平和の実現を祈り続けました。
現在も栗原市若柳にある大林寺には千葉十七夫妻の墓があり、
昭和五十六年、安重根と千葉十七の友情を称える顕彰碑が建立されたとのことです。

さて、この日韓を超えた友情、暗殺者と看守のやりとりを讃える方がいらっしゃることについては疑義をさしはさむものではありませんが、平成十四年、浅野史郎宮城県知事の時代に、日韓サッカーワールドカップが本県でも開催され、その機会に日韓友好の証しとして、この「安重根記念碑」の観光案内板が設置をされました。
道路管理者は宮城県であり、道路占用許可を得て、県が観光案内板として費用を負担し、平成十二年より現在の場所に設置をされているとうかがっています。
二人の友情、美談はともかくとして、わが国の政治家を暗殺した、テロリストの記念碑の案内板を税金で支出するということは、昨今の日韓関係があろうとなかろうと不適切ではないかと考えます。

近年の日韓関係は、韓国側によって国際法違反の状態がつくり出されたことを契機として大変厳しいものとなっており、これは韓国側に適切な対応を求めていくしかない状況であると私は認識しています。
しかし両国関係が困難な状況にあっても将来のために、相互理解の基盤となる民間交流は続けていくことが必要でしょうし、
東アジア情勢の混迷のなか中国が台頭しアメリカの力が弱くなれば、わが国にとっても難しい国際情勢となり、長期的な視点で見れば、親日的な韓国の方々が増えていくことは国益に資することであろうとも思います。

しかし、税金を支出した観光案内板としてテロリストを取り上げることは不適切ではないでしょうか。
県としての見解をおうかがいいたします。

以上、大綱三点についておうかがいいたします。
ご清聴いただきましてありがとうございました。

(終)

───────────────────────────

【渡辺勝幸一般質問要旨】

【大綱1】復興の次の時代をどう描くか以下4点について知事及び警察本部長の所見を伺いたい。

(1)県庁全体で、我が県が復興途上であり、心のケアや地域コミュニティの再生などの中長期的な課題が山積している現状を、更に強く継続的に国に訴えるべきと思うがどうか。

(2)被災地の今後を考える上で「世界とのつながり」と「支える側に回る発想」は県政の方向性と軌を一にすると思うが、「復興の次の時代」をどう描くのか、国との連携と併せてどうか。

(3)外国人材受入れに伴う日本語教育環境の整備は喫緊の課題であり、高齢者を日本語教師として活用すべきと思うがどうか。

(4)交通安全意識の啓発等に加え、交通安全施設整備事業に重点的に予算配分を行い、ソフトとハードの両面で交通安全を推進していく必要があると思うがどうか。

【大綱2】ママ支援と特定不妊治療の助成について以下3点について知事の所見を伺いたい。

(1)国が全国展開を目指している「子育て世代包括支援センター」について、現時点における県内の取組状況と今後の展開はどうか。

(2)特定不妊治療による経済的負担の軽減を図るため、治療費の一部を助成する事業が全国で実施されているが、我が県の不妊治療事業費と一般会計に占める割合についてどうか。

(3)少子化対策を進める上で子どもを産みたい方には更に支援すべきであり、我が県の特定治療支援事業における所得制限は撤廃すべきと思うがどうか。

【大綱3】税金を支出する基準となる公平性の担保について以下4点について知事の所見を伺いたい。

(1)先進的文化芸術創造拠点形成事業については、文化芸術の振興や被災地における心の復興、地域の活性化につながるものと期待しているが、今後の取組・展開はどうか。

(2)「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止となったことについて、知事の所感はどうか。

(3)「表現の自由」と「政治・行政の表現内容への不介入」、「税金支出の公平性」の三点の均衡について、県の見解はどうか。

(4)最近の日韓関係にかかわらず、県費により設置した観光案内板において「安重根記念碑」を取り上げることは不適切と思うが、県の見解はどうか。

【一般質問要旨ここまで】
───────────────────────────

質問内容についてのご感想、
ご意見、ご質問などいただければありがたく存じます。

すべてにお返事はできませんが、
今後の活動に役立ててまいります。





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