2019/09/13
【渡辺勝幸一般質問】【大綱1】復興の次の時代をどう描くか【第369回宮城県議会】

本日9月13日、
第369回宮城県議会(令和元年9月定例会)において、
渡辺勝幸は一般質問に立ちましたので、
このメルマガで数回に渡って、
一般質問の内容等についてお伝えしたいと思います。
1回目として、
大綱1 復興の次の時代をどう描くか
について内容をお伝えしたいと思います。
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【渡辺勝幸一般質問要旨】
【大綱1】復興の次の時代をどう描くか以下4点について知事及び警察本部長の所見を伺いたい。
(1)県庁全体で、我が県が復興途上であり、心のケアや地域コミュニティの再生などの中長期的な課題が山積している現状を、更に強く継続的に国に訴えるべきと思うがどうか。
(2)被災地の今後を考える上で「世界とのつながり」と「支える側に回る発想」は県政の方向性と軌を一にすると思うが、「復興の次の時代」をどう描くのか、国との連携と併せてどうか。
(3)外国人材受入れに伴う日本語教育環境の整備は喫緊の課題であり、高齢者を日本語教師として活用すべきと思うがどうか。
(4)交通安全意識の啓発等に加え、交通安全施設整備事業に重点的に予算配分を行い、ソフトとハードの両面で交通安全を推進していく必要があると思うがどうか。
【大綱2】ママ支援と特定不妊治療の助成について以下3点について知事の所見を伺いたい。
(1)国が全国展開を目指している「子育て世代包括支援センター」について、現時点における県内の取組状況と今後の展開はどうか。
(2)特定不妊治療による経済的負担の軽減を図るため、治療費の一部を助成する事業が全国で実施されているが、我が県の不妊治療事業費と一般会計に占める割合についてどうか。
(3)少子化対策を進める上で子どもを産みたい方には更に支援すべきであり、我が県の特定治療支援事業における所得制限は撤廃すべきと思うがどうか。
【大綱3】税金を支出する基準となる公平性の担保について以下4点について知事の所見を伺いたい。
(1)先進的文化芸術創造拠点形成事業については、文化芸術の振興や被災地における心の復興、地域の活性化につながるものと期待しているが、今後の取組・展開はどうか。
(2)「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が中止となったことについて、知事の所感はどうか。
(3)「表現の自由」と「政治・行政の表現内容への不介入」、「税金支出の公平性」の三点の均衡について、県の見解はどうか。
(4)最近の日韓関係にかかわらず、県費により設置した観光案内板において「安重根記念碑」を取り上げることは不適切と思うが、県の見解はどうか。
【一般質問要旨ここまで】
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【大綱1】復興の次の時代をどう描くか
(1)県庁全体で、我が県が復興途上であり、心のケアや地域コミュニティの再生などの中長期的な課題が山積している現状を、更に強く継続的に国に訴えるべきと思うがどうか。
自由民主党・県民会議の渡辺勝幸でございます。
議長のお許しをいただきましたので、
大綱一点目「復興の次の時代をどう描くか」についておうかがいいたします。
今年八月四日、若林区の連坊商興会が「連坊チャリティー七夕茶会」を開催しました。
この七夕茶会は今年で十回目ですが、参加費の茶席代を全額、宮城県の「東日本大震災みやぎこども育英基金」に寄付をされており、これまでの合計寄付額は百六十五万円にのぼっているとのことです。
今月五日、この茶会を主催された連坊商興会と江戸千家不白会の皆様が宮城県庁を訪れ、寄付金を贈呈されるとともに、本基金の活用事業について担当の保健福祉部の皆様からご説明をいただいたところです。
本県においては、両親を亡くした震災孤児が百三十九人、両親のいずれかを亡くした震災孤児が九百六十二人の合わせて一千百一人の子供たちが親を亡くしています。
こうした子供たちが安定した生活を送り、希望する進路選択を実現できるようにすることは、非常に重要なことであり、継続的に支援をしていかなければなりません。
県の子育て社会推進室で平成二十九年に発行された「東日本大震災みやぎ子ども育英募金寄附者の皆様へのメッセージ」という小冊子をいただきましたが、ここからうかがえることは、子供たちの、勉強に、運動に頑張っている様子、そして親を失った悲しさは消えることはないものの、まだ見たことのない寄附をしてくださった方への感謝の気持ちがあふれ、
この基金による支援金・奨学金事業が意義のあるものだと読みながら感じました。
また、本基金を活用し、不登校など心の問題を抱える児童生徒を支援する、みやぎ子どもの心のケアハウス、被災者の心の相談に応じるみやぎ心のケアセンターの運営、いじめ・不登校等対策推進・支援事業など、子供から大人まで切れ目のない支援を本県では進めており、それぞれ大変有意義な事業であります。
しかしこれは本来基金ではなく、国の責任で被災県に対して
全額予算化していくべき事業なのではないでしょうか。
私も上京したときには、霞が関にお勤めの方と話をしたり、
政治関係者とお話をする機会がありますが、残念ながら東京の政策担当者の方々と、県内被災地では温度差があるように思えてなりません。
東京においては、東日本大震災はもはや過去の出来事であり、予算を投じる必要性が感じられないという趣旨のお話をされる方もいないわけではありません。
たしかに東日本大震災以降、大きな予算を本県も国から投じていただき震災からの復興が大きく進展した、このことには私も宮城県民として心より感謝をしているところです。
しかし現状を見ると、まだまだ震災からの復興は途上であり、さらに震災直後とは状況が変化し、被災者の心のケアや地域コミュニティの再生等、被災者を支援する事業には中長期的な対応が必要であり、こうした施策に財政支援を継続していただくよう、宮城県における現状を国に対して、今まで以上に主張し、説明し、訴える必要があるものと認識しております。
本県にとっては幸いなことに村井知事個人の発信力は大きなものがありますが、それに反比例して、県執行部として県庁をあげて、国に対し現状を熱く説明し訴え、要望する力が弱くなっているのではないかという不安を感じざるを得ません。
ただ待っているだけでは、本県における「復興の完遂」「復興の次の時代」が厳しいものになってしまいますし、本来能力のある県執行部の皆様の力が発揮されていないということであれば、結果として知事の責任と言われてもおかしくはないでしょう。
国に対し、本県が復興途上であり、課題が山積しているということを、県庁をあげて、いままで以上にさらに強く、そして継続的に訴えていくべきであると考えますが、見解をおうかがいいたします。
(2)被災地の今後を考える上で「世界とのつながり」と「支える側に回る発想」は県政の方向性と軌を一にすると思うが、「復興の次の時代」をどう描くのか、国との連携と併せてどうか。
次に、復興の次の時代をどう描くかおうかがいいたします。
今月六日、先の改造で環境大臣に就任した小泉進次郎衆議院議員が来仙し、「読売Bizフォーラム東北」で講演をされ、私もそのお話をうかがってまいりました。
震災から八年半が経過した今、小泉氏は「もう一度、被災地の一人ひとりが立ち上がるために何が必要かを考える時期に来ている」と強調され、被災地の今後を考えるキーワードとして「世界とのつながり」と「支える側に回る発想」の二つを挙げていらっしゃいました。
私も日頃より復興の次の時代をどう描くかということを考えていますが、小泉氏の講演に共感するところがありましたし、村井県政の大きな方向性も同じではないかと感じたところです。
しかし先程述べましたように、復興の次の時代においても
国の力を借りながら推進していく必要は大いにありますし、
本県選出国会議員も含め、復興庁の後継組織をはじめとする国との連携は、「復興の次の時代」を描くにあたり重要であると考えます。
「復興の次の時代」をどう描くのか、また国との連携について知事の見解をおうかがいいたします。
(3)外国人材受入れに伴う日本語教育環境の整備は喫緊の課題であり、高齢者を日本語教師として活用すべきと思うがどうか。
「世界とのつながり」というキーワードを踏まえ、「復興の次の時代」を描くにあたり、現在わが国で大きな課題となっている人手不足の解消については、外国人材の受入れという形で新たな動きが始まっています。
宮城県における外国人労働者数は、平成三十年十月末で一万一千一人と過去最高を記録しました。
しかし一方で、文化や生活習慣のちがい、そして言語のちがいからトラブルも発生しているという話を耳にするようになりました。
法改正により、現在外国人に求められている語学力は、日本語能力試験でN4程度(五段階中下から二番目)と必ずしも高度な水準を要求されているわけではないのが現状です。
日本語教育環境の整備が喫緊の課題であるといっても過言ではありません。
一方、外国人労働者を受け入れる国内の日本語教育環境は十分ではありません。
外国人材を受け入れている地域であっても、日本語教室が開設されていないという地域はまだまだ多いのではないでしょうか。ニッセイ基礎研究所の調査によれば、国内に三万九千五百五十八人いる日本語教師の約六割は無報酬のボランティアであり、この状況を脱却するには、日本語教育にかかわる人材を登用し、制度を整備していかなければなりません。
そこで必要とされるのは、高齢の方々ではないかと私は考えています。
高齢者は日本語教師に最も適しているのではないでしょうか。
高齢者は日本語に堪能であり、文化に対する造詣も深く、人生経験も豊富です。
一方、外国人は日本語能力が未熟で日本の社会慣習に対しても理解が浅く、比較的若い世代が多いため人生経験も足りていません。
豊富な知識や経験を有する高齢者は、外国人が抱える様々な問題の解決に大きな力を果たしてくれるのではないか、と考えた次第です。
高齢者にとっても働くことで日々の生活が活性化し、健康の維持にもつながることは想像に難くありません。
外国人材受入れによる日本語教育環境の整備は喫緊の課題であり、高齢者を日本語教師として活用するべきと考えますが、その見解をおうかがいいたします。
(4)交通安全意識の啓発等に加え、交通安全施設整備事業に重点的に予算配分を行い、ソフトとハードの両面で交通安全を推進していく必要があると思うがどうか。
八月八日、宮城県知事による交通死亡事故多発緊急事態が宣言されました。
今年の県内の交通事故による死者数は、七月二日以降の約一か月間で十人と急増し八月二日現在で三十七人となっており、昨年を大幅に上回るペースで交通死亡事故が発生し、
極めて憂慮すべき事態となっております。
緊急事態宣言のメインスローガンとしては「一人一人の慎重な運転が命を守る 防ごう交通事故 死亡事故ゼロへ」を掲げたとうかがっております。
交通安全の施設整備は、宮城県民のみならず、通過するすべての道路利用者に影響を与えるものであり、本県の交通安全政策として着実な推進が求められることはもちろんですが、
国に対しても一定の水準を確保し必要な財源を補助するよう求めていく必要があると考えます。
また、被災地においては復興の進展に伴い、新たな道路や交差点が造設され、人々や車の動きも日々変化し続けており、交通安全の確保は喫緊の課題でもあります。
私の地元、仙台市若林区上飯田一丁目の市道交差点では近年事故が多発しております。
今年の五月二十日朝、軽乗用車と乗用車が出合い頭に衝突、
はずみで軽乗用車が横転し、近くのアパートの塀をなぎ倒しました。
幸い運転していた方は軽いけがですみましたが、小・中学生、高校生の登校時間であり、あわや大惨事になってもおかしくない事故でした。
さらに同じ場所で八月一日には、東から来たトラックと北から来た軽乗用車が出会い頭に衝突し、さらに西から来た乗用車が軽乗用車とぶつかりました。
トラックと軽乗用車の運転手が首や胸を打ち、いずれも軽傷ということでした。
この事故で、トラックが信号機の支柱に衝突し倒れたため、
交差点周辺の道路がおよそ三時間通行止めとなりました。
この交差点ではここ三年で信号無視などにより六件の事故が発生、うち人身事故は四件であったそうです。
なぜ同じ交差点で事故が多いのか、様々な理由があるものと思いますが、この交差点に設置されている信号機は旧型のものであり、また横断歩道の路面標示が消えかかっていました。
さっそくカラーアスファルト舗装、横断歩道の標示工事を実施していただきましたが、こうした信号機や道路標識、道路標示の整備を進めることによって、交通事故の抑止につながるものと期待をしているところです。
近年、道路や歩道の整備等を推進することによって、子供たちの通学路や園児の移動経路等の安全を確保すること、またさらに高齢運転者が増加していることを踏まえ、今までとはちがう交通事故防止対策の強化が、県民の大きな関心事となっています。
もちろん緊急事態宣言を出すことで交通安全の意識を啓発し
向上させる効果はあるものと思いますが、やはり交通安全施設整備事業に重点的に予算配分をし、ソフトとハードの両面で交通安全を推進していく必要があるものと考えます。
見解をおうかがいいたします。
(大綱二、三は明日以降に続けます)
質問内容についてのご感想、
ご意見、ご質問などいただければありがたく存じます。
すべてにお返事はできませんが、
今後の活動に役立ててまいります。
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