2018/05/25
「天」にある二つの意味の一つとしての「民の声が天の声」
この章において「天命」
というものの考え方を明白にすべきです。
思うに古代に「天」と呼んだものに二つの意味があります。
『書経』にいう
「天の視るは我が民の視るにしたがひ、
天の聴くは我が民の聴くにしたがふ」
民衆の声を天の声とする、
という時の天が、その第一です。
思うに天は本来、
心を持っていないものですから、
民の心をその心としています。
天みずから視たり聴いたりする働きがあるのでなく、
民の視たり聴いたりしたことを、
みずからのそれとしています。
そして人は、
天地の気を受けてからだとし、
天地の理を受けて心としており、
これが人の心をそのまま天の心とするということなのです。
それゆえに
諸侯が天子に拝謁するもの、
訴訟するもの、徳をたたえて歌うものが、
すべて心を寄せることを、
孟子は「天である」といったのでした。
ということを約150年前の日本において、
政治犯として牢屋の中にありながら、
囚人と看守に対して
熱心に教えた人がいたのでした。
その政治犯は間もなく
斬首刑になってしまいます。
そして時は立ち、
その政治犯の弟子たちが、
明治維新の原動力となり
日本を変えていったのでした。
この本をときどき繰り返し読んでいます。
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