2018年03月22日 23:59
皇太子殿下の「即位の礼」について、
共産党の志位委員長が今日、
三種の神器の承継などの儀式について、
「国事行為にすべきでない」
という考えを明らかにしたとの報道を目にしました。
全国の共産党員の方々のなかにはやさしいステキな人も
たくさんいらっしゃるとは想像しますが、
組織のトップがこのような発言をするということは、
やはり日本の伝統文化の原点を否定する政党なのだなと感じます。
過去や歴史を全否定することには
違和感を感じざるを得ません。
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【引用ここから】
「三種の神器の承継など 国事行為にすべきでない」共産委員長(NHK)
3月22日 18時08分
⇒ https://www3.nhk.or.jp/news/
新たな天皇に即位される皇太子さまの「即位の礼」をめぐり、
共産党の志位委員長は、
歴代天皇に伝わる剣や曲玉などを受け継ぐ儀式などは国事行為にす
政府に申し入れたことを明らかにしました。
来年の天皇陛下の退位と皇太子さまの即位に向け、
政府は皇太子さまの「即位の礼」の検討も本格化させており、
このうち歴代天皇に伝わる剣や曲玉などを受け継ぐ
「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」が、
国事行為として最初に行われる見通しです。
これに関連して共産党の志位委員長は記者会見で
「
憲法の国民主権の原則と両立しない」と指摘しました。
そのうえで、「剣璽等承継の儀」や、
天皇が皇后とともに即位後初めて国民を代表する人々と会う
「即位後朝見(そくいごちょうけん)の儀」などは
国事行為にすべきではないとして、
政府や衆参両院の議長に対し国民的な議論を行うよう申し入れたこ
【引用ここまで】
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あらゆる「儀式」には意味があります。
一般家庭でも赤ちゃんが生まれれば、
「お食い初め」をしたり、
一定の年齢になれば「七五三」、
成人すれば着物を着て「成人式」をするでしょう。
結婚式にも意味がありますし、
お葬式にも意味があります。
こうした人生における通過儀礼は無意味であり、
省略してもよいのではないかという人も最近は増えているかもしれ
やはり「人間が人間たる所以」、
親が子を大事にする姿勢や家族の在り方についての考え方と、
こうした「儀式」
儀礼を軽視したり先例を全否定することによる弊害は、
近年大きくなってきているようにも感じます。
「三種の神器」とは何か?
ウィキペディアによれば、以下の通りです。
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【引用ここから】
三種の神器(みくさのかむだから、さんしゅのしんき(じんぎ、
日本神話において、天孫降臨の時に、
瓊瓊杵尊が天照大神から授けられたという鏡・玉・剣のこと。
また、神話に登場した神器と同一とされる、
あるいはそれになぞらえられる、
三種の宝物とは、八咫鏡・八尺瓊勾玉・草薙剣を指す。
中でも八尺瓊勾玉・草薙剣は併せて剣璽と称される。
皇族はもとより天皇でさえもその実見はなされておらず、
多くの面が謎に包まれている。
【引用ここまで】
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それぞれに意味があるわけですが、
この三種の神器をめぐって
日本史上においては大きな争いがおきたこともあったり、
1185年(元暦2年)の壇ノ浦の戦いで、安徳天皇が入水し
神器が水没したこともありました。
日本史の教科書ではさらっと書かれていたりするわけですが、
南北朝時代などはこの三種の神器を持っているほうが
正統だとして戦になっていますので、
昨今の風潮のように、
「三種の神器継承」などという儀式はやめてしまえ、
と言って実際にそのような流れになった後に、
三種の神器を継承していない天皇は正統ではない!
などとして内乱が起きることだってありえないとは言えません。
皇位継承男系男子の問題についても同様ですね。
歴史を否定し、慣習を失わせることができれば、
外部から国を壊すことは簡単ですし、
結果として争いの世の中にすることもたやすいものです。
平和を守ることは難しいことですし、
戦争は国内の激しい対立から起きることは非常に多いわけで、
平和を主張しながらケンカを売ってくる人がいたならば、
気をつけなければなりません。
今回の皇位継承関連の儀式について、
たとえば共産党のホームページを見ると、
以下のように記されています。
天皇の「代替わり」にともなう儀式に関する申し入れ
2018年3月22日 日本共産党中央委員会
⇒ https://www.jcp.or.jp/web_
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【引用ここから】
「三種の神器」を、天皇家が家宝として大切にあつかい、
代々受け継いでいくことを否定するものではありませんが、
それは天皇家の私的行為として行うべきであり、
国事行為とすべきではありません。
【引用ここから】
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この主張には、けっこう多くの方々が
納得されるのではないでしょうか。
「三種の神器」継承の儀式を
天皇家の私的な儀式としてやれば、
継承自体はされるのだから伝統は引き継がれるのではないか。
この文章を入れるところが共産党の「巧妙」
儀式と言っても、
私たちの七五三とちがって、
この儀式は大掛かりなものです。
政府の平成30年度予算案では、
皇位継承関連の儀式の準備や、退位儀式に関係する経費として
16億5300万円が計上されています。
わが国の象徴であり、
海外各国からは国家元首として
国際儀礼上も上位に位置する天皇陛下ですので、
やはり国をあげてこの儀式を執り行うべきであると考えます。
しかし仮にこの費用を私的行為として
天皇家で負担することが可能かと言えば、
むずかしいことでしょう。
一説に昭和天皇の崩御後に
天皇家の財産は6億円程度にまで減少しており、
今回譲位をされるとなれば、
皇太子殿下に財産が贈与されるわけで、
その贈与税は約3億2千万円と想定されます。
平成16年に高松宮妃殿下が亡くなられたときには、
親族が約8億円の相続税を支払うために、
家具や工芸品などを宮内庁に寄贈したとも報道されています。
天皇家も私たちと同様、
相続税の支払いにご苦労をされているというのが現状なわけです。
そのあり方自体にも問題があるとは思いますが、
GHQ時代以来変わらず現行制度上もそうなっているわけです。
今後、共産党の志位委員長が主張するように、
即位の礼関連の儀式は天皇家の私的行為として行うべきとなれば、
その費用の面から現実的に、
儀礼は簡略化せざるを得ず、
即位の礼の儀式そのものを実施することも難しくなることでしょう
「巧妙」の意味はそこにあります。
多くの方々は、天皇陛下が贈与税や相続税に
四苦八苦しているとは想像もしないでしょうし、
海外の王室やセレブの方々から見たら
これは「クレイジー」と思われることでしょう。
革命を起こすためには、
わが国の伝統文化を否定するのが一番よいのでしょう。
しかし私たちの日々の生活や行動様式は、
多くの先人の努力や、わが国の自然、天候や地理的条件などから、
長きにわたって生み出されてきたものでもあり、
また地域のお祭りや四季折々の行事などは、
それぞれの伝統文化から生まれているものであり、
日本人の思考様式に自然と組み込まれているものです。
今回の件にとどまらず、
「儀式」の重要性を私たちは、
もう一度考えていく必要があるのではないかと感じます。
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