2017/09/17
【渡辺勝幸一般質問】答弁要旨ー第361回宮城県議会(平成29年9月定例会)
9月14日、第361回宮城県議会(平成29年9月定例会)において、
渡辺勝幸は一般質問に立ちましたので、
このメルマガで数回に渡って、
一般質問の内容等についてお伝えしました。
今回は、質疑に対する答弁内容について、
お伝えしたいと思います。
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【質問1 名取川及び広瀬川におけるかわまちづくり、
(1)名取川閖上におけるかわまちづくりについて
国交省が進める「かわまちづくり事業」の活用等により、
現在事業が行われている閖上地区はもとより、
県内各地においても、
利活用を図ることが重要と思うがどうか。
知事の答弁:
国土交通省が進める「かわまちづくり」支援制度は、
まちと水辺が融合した良好な空間形成を推進することを目的に、
市町村や民間事業者等と連携のもと、
河川管理者がハードソフト両面で支援を行うものであり、
県内では名取市のほか、石巻市や登米市が登録され、
事業を実施しております。
名取川閖上地区については、
復興まちづくりと連携し、国直轄事業により、
ハード施策として、イベントなど、
多目的に利用できる高水敷や、
舟運のための船が係留できる護岸等を整備するとともに、
魅力的で賑わいのある水辺空間を創出するための
各種検討をソフト施策として実施しているところであります。
県といたしましては、
国による先導的な事例を参考にしながら、
県管理河川におきましても沿川市町村等に対して
「かわまちづくり」の導入に向けた情報提供を行うなど、
積極的に支援を行ってまいりたいと考えております。
(2)広瀬川における「川床イベント」 について
広瀬川でのイベントに当たり、
川床設置を認めた県の判断を評価する。
地域活性化や観光振興等の観点から、
河川の利活用について更に柔軟な対応や新たな視点を導入すべきだ
土木部長の答弁:
河川敷地の占用主体は、従来、原則として
地方公共団体及び公的団体に限られていましたが、
地域の活性化、国の行政財産の商業利用の促進の観点等を踏まえ、
国では、平成23年度に河川占用に関する規制を緩和し、
民間事業者によるイベント施設等の設置を可能にするなど、
河川空間のオープン化が進められております。
県といたしましては、
河川敷地の多様な利活用は、
地域の活性化のため重要と考えており、
加えて、観光資源の有効活用や、
河川愛護精神の醸成などの観点においても
望ましいものと認識しております。
一方、治水や利水などに支障が生ずることのないよう、
事業主体や事業内容等に応じ、
法律に基づく占用許可などの手続を
適切に行う必要があると考えております。
県といたしましては、
河川の治水・利水機能等を確保しながら、
全国における河川の新たな利活用の状況等を参考に、
市町村、民間事業者及び地元住民と連携し、
それぞれの河川の特徴を活かした
魅力的な水辺空間の創出に努めてまいります。
(3)県内NPOのあり方、課題とその現状について
NPOは復興の一翼を担う主体としても不可欠である一方、
活動実態の把握が困難なものも少なくないと聞くが、
県内NPO法人の現状と課題についてどうか。
環境生活部長の答弁:
県内のNPO法人については、
現在、約800の団体が、被災者支援・震災復興のみならず、
「保健・医療・福祉」、「環境保全活動」、
「文化・スポーツ」など、
幅広い分野できめ細やかに活動しております。
震災から6年半が経過した現在も、
被災地の心のケアや地域コミュニティの再構築のほか、
地方創生や地域活性化につながる取組を行っており、
大きな役割を担っているところです。
しかしながら、NPO法人の中には、
運営基盤が脆弱で、資金面、人材面に課題を抱えている団体や
活動を休止している団体も見受けられます。
県といたしましては、みやぎNPOプラザの運営を中心に、
企業の社員が専門性を活かしてボランティア活動を行うプロボノや
ソーシャルビジネスなどへの支援により、
広くNPOの運営力強化に取り組むとともに、
復興・被災者支援を担うNPOに対し、
引き続き震災復興活動支援の補助事業を実施してまいります。
【質問2 地方税財政の在り方及び地方創生について】
(1)新生児の聴覚検査について
新生児聴覚検査は、交付税措置されているにも拘らず、
平成27年度には県内で公費負担を行う市町村はない。
発達等への影響を最小限にするためにも、
全新生児に対し検査を実施すべきだがどうか。
知事の答弁:
聴覚障害の早期発見・療育のためには、
新生児聴覚検査の実施が重要とされており、
関係医療機関などからも、
検査の推進等について要望をいただいているところであります。
検査の関係経費については、
基準財政需要額に算入されてはおりますが、
地方固有の一般財源である地方交付税の制度の趣旨から、
公費助成を含めた基本的な対応等は、
市町村の判断に基づくこととされております。
県といたしましては、今年度中に立ち上げる、
新生児聴覚検査に関する検討会の結果を踏まえ、
検査・療育体制の整備とともに、
検査の更なる普及を図ってまいりたいと考えております。
(2) 地方交付税措置を含めた地方税財政の在り方、「三位一体の改革」
財政力の弱い地方ほど、
本来実施すべき施策すら行えない三位一体改革以降の現状を踏まえ
地方税財政の在り方について、
国に対し具体的な指摘や政策提言を東北の先頭に立って行うべきだ
知事の答弁:
いわゆる三位一体の改革以降、
地方は基金を大きく取り崩すなど、
綱渡りの財政運営を余儀なくされてきました。
さらに、近年では、少子高齢化に伴う社会保障関係経費の増加や、
地方創生及び人口減少対策など、
新たな財政需要への対応も迫られております。
このことから、県では、国に対し、
地方交付税などの地方一般財源総額の増額とともに、
社会保障関係経費や地方単独事業などの適切な反映や、
歳出特別枠の堅持など、
地方の厳しい実情に応じた地方財政計画の適正化を
繰り返し求めてまいりました。
しかしながら、
地方一般財源総額は今年度と実質的に同水準となっているほか、
地方交付税が減少し臨時財政対策債が増加しているなど、
抜本的な見直しには至っていないと考えております。
県といたしましては、引き続き、
国に対し地方の現状が正しく伝わるよう努めますとともに、
地方の実態を踏まえた地方財政計画の適正化が図られるよう、
関係団体とも連携しながら、
粘り強く要望してまいります。
(3) 県内における自治組織(町内会・行政区等)の活性化について
自治活動の発展や震災復興の観点などから、
町内会等の役割は更に重要となるため、
県内での自治組織の活性化を図るべきだがどうか。
知事の答弁:
地域に根ざした地縁団体である町内会・行政区については、
地域づくりの担い手として、
また地域住民相互のパイプ役として
地域社会の維持・発展には欠かせない組織であります。
特に震災により失われた地域コミュニティの再生や、
少子高齢化・人口減少など直面する地域課題に対応するためには、
これまで以上にその役割は重要になるものと認識しております。
一方で、役員の高齢化や加入世帯の減少などによる
担い手不足の課題も顕著となっており、
こうした課題に対応していくためにも、
各市町村における町内会・行政区の活性化に向けた取組とともに、
連合会を通じた団体間の情報共有や交流活動についても
重要になるものと考えております。
このため、県といたしましては、
引き続き、被災市町において地域コミュニティの再生に取り組む
自治組織に対する支援を行うほか、
連合会の事務局を担う仙台市とも連携を図りながら、
必要な支援を検討してまいりたいと思います。
【質問3 宮城県における危機管理への取り組みについて】
(1)北朝鮮ミサイル対応避難訓練の県内市町村実施状況について
北朝鮮の弾道ミサイルについて、
警報時の対処方法を知りたいとの声も踏まえ、
住民避難訓練を実施するとともに、
課題把握や各方面との情報共有を行うべきだが、
県内での訓練実施状況及び今後の対応はどうか。
総務部長の答弁:
県では、国からの要請により市町村に対し
弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の実施について協力を依頼し
また、一部の市町村では住民を対象とした避難訓練や
Jアラート音声の訓練放送を実施しております。
国や市町村と共同での住民避難訓練については、
東松島市において、10月6日に実施する予定としております。
今後、これらの訓練を検証し、
課題等を整理して市町村と情報共有することにより、
住民のより的確な避難行動の確保に取り組んでまいります。
(2)「宮城県国民保護計画」の見直しについて
宮城県国民保護計画について、
昨今の情勢も踏まえた具体的な見直しが必要だがどうか。
また、県民への広報、
総務部長の答弁:
都道府県の国民保護計画は、都道府県・市町村等関係機関の事務
又は業務の大綱を定めるものであり、
我が県といたしましては
国民保護事案の各機関の具体的な対応や行動については、
事案毎のマニュアルの作成などを通じ、
個別に準備するものと考えております。
喫緊の課題である弾道ミサイル落下時における自治体や
指定公共機関等が取るべき行動については、
まずは国において早急に明確化し情報提供するよう
全国知事会を通じて国に要望したところであります。
また、弾道ミサイル落下時の住民が取るべき行動については、
国のポータルサイトにおいて示されておりますが、
より具体的な避難行動については、
各市町村が作成する避難の経路や手段等を定めた
避難実施要領に基づき対応する必要があることから、
県では、市町村に対して国の「避難実施要領のパターン」
あらかじめ具体的なパターンを作成するよう指導しております。
なお、国が示している住民の行動等については、
これまで県や市町村のホームページ等で広報を行っておりますが、
先月29日のミサイル発射を受けて、
あらためて市町村に対し、一層の周知を依頼したほか、
県といたしましても県政だよりへの掲載などにより、
県民への周知を図ってまいります。
(3)
農業基盤整備は、今回の日照不足、低温のような異常気象や
ゲリラ豪雨などによる洪水対策など
不測の事態に備えるという面でも非常に重要だが、
農作物の異常気象対策の現状と今後の農業基盤整備への取組につい
知事の答弁:
7月下旬以降の日照不足と低温によって、
農作物への影響が懸念されることから、
県では、農作物異常気象対策連絡会議を開催し、
今後の技術対策について、関係団体と協力しながら、
広く農業者等へ周知を図っております。
特に、水稲については、
いもち病などの病害虫対策、
登熟を促進させるための水管理、
品質を向上させるための適期刈取りの徹底について、
農業改良普及センターなどを通じて指導しております。
また、農業基盤整備の取組につきましては、
農地の大区画化、汎用化のほか、
老朽化の進む農業水利施設の保全・整備などを
計画的に進めているところですが、
これらは、異常気象の影響を緩和させるための水管理や
防災減災対策などにも不可欠でありますことから、
引き続き推進してまいります。
県といたしましては、
こうした取組により、
競争力のある農業の実現を目指しながら、
農業分野における危機管理対策の徹底を図ってまいりたいと思いま
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質問内容についてのご感想、
ご意見、ご質問などいただければありがたく存じます。
すべてにお返事はできませんが、
今後の活動に役立ててまいります。
⇒ 「渡辺勝幸 宮城県議会県政活動報告」(ブログ)
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