2016年07月01日 23:58
「親につかえる」と「身を守る」の二つについて。
曾子と曾元との孝行の例をひいて、
親の口体を養う、
すなわち体を満足させることと、
志を養う、すなわち希望を満足させること
との区別を明らかにし、
吉田松陰は、
「志を養うこと」をもって主体としています。
曾子がお膳を下げるとき、
父にその残りを
誰に与えましょうかとたずね、
まだ残りがあるのかとたずねられると、
必ず残っていますと答えたと記しているのは、
志を養う態度の一端を示したものに過ぎません。
志を養うということの意味は、
非常に広大であって、
およそ父母の希望が達せられるようにつとめることは、
みなこれに属します。
昔の言葉に、
「人の子たるものは、
父母の心を以て自分の心とせよ。
それが孝というものです。」
とありますが、これはそのような意味です。
ということを約150年前の日本において、
政治犯として牢屋の中にありながら、
囚人と看守に対して
熱心に教えた人がいたのでした。
その政治犯は間もなく
斬首刑になってしまいます。
そして時は立ち、
その政治犯の弟子たちが、
明治維新の原動力となり
日本を変えていったのでした。
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