2016/01/02
平成28年天皇陛下のご感想(新年に当たり)
新年に当たり、宮内庁から天皇陛下のご感想が発表されています。
毎年このご感想を読んでいるのですが、
行く年と来る年の大きな指針が、
このご感想を読むと見えてくるのではないかと思っています。
政治のあり方は「心を寄せる」ことにあるのではないかと、
そんなことをお言葉とお歌から感じます。
読者のみなさんに天皇陛下のご感想と
御製五首をシェアしたいと思います。
天皇陛下のご感想(新年に当たり)
平成28年
昨年は戦後70年という年に当たり,多くの人々が先の戦争に思いを致した1年でした。新年を迎え,改めて国と人々の平安を祈念します。
東日本大震災から間もなく5年を迎えようとしています。未だそれまで住んでいた地域に戻れずにいる人々や,仮設住宅で苦労の多い生活を送っている人々があることが案じられ,こうした人々が寒さの厳しい冬を健康に十分気を付けて過ごされるよう,そして,被災地域の復興が少しでもはかどるよう,願っています。
私どもの住む日本は誠に美しい自然に恵まれる一方,自然災害を受けやすい環境にあり,今年も日本人一人ひとりが防災の心を培うとともに,お互いが気を付け合って,身を守る努力を続けられることを心より希望しています。
本年が日本と世界の人々にとって幸せな年になることを祈ります。
His Majesty the Emperor's New Year Thoughts
2016
As last year was the 70th anniversary of the end of World War II, it was a year in which many of us spent much time thinking about the war. In welcoming the new year, I would like to renew my prayer for peace both for our country and our people.
It will soon be five years since the Great East Japan Earthquake, and it pains me to think that there are still people who cannot return to the places they used to live and those who must endure the hardships of living in temporary housing. I hope that these people will take good care of their health through the cold winter, and that further progress will be made in the recovery of the afflicted areas.
Our country Japan is indeed blessed with beautiful nature, but at the same time, we are prone to natural disasters. It is my sincere hope that each and every Japanese cultivate an awareness of disaster prevention and continue to look out for each other and be prepared to protect themselves at all times.
May the new year bring happiness to the people of our country and the people around the world.
御製五首 平成二十七年
【第六十六回全国植樹祭】
父君の蒔かれし木より作られし鍬を用ひてくろまつを植う
昭和五十八年に石川県で開催された第三十四回全国植樹祭の際、昭和天皇はスギの種子をお手蒔きになった。
本年五月の同県での全国植樹祭においてこのスギの間伐材で作られた鍬をお使いになって、クロマツの苗木をお手植えになったことをお詠みになっている。
【第七十回国民体育大会開会式】
作られし鯨もいでて汐を吹く集団演技もて国体開く
本年九月に和歌山県で開催された国民体育大会開会式に御臨席になった際、
式典前演技において大型の鯨の模型が競技場の中央に引き出され、汐を吹く様を現した様子を御覧になっての御製。
【第三十五回全国豊かな海づくり大会】
深海の水もて育てしひらめの稚魚人らと放つ富山の海に
本年十月、富山県での全国豊かな海づくり大会において、富山湾の深層水で育てられたヒラメの稚魚を御放流になったことをお詠みになったもの。
【戦後七十年に当たり、北原尾、千振、大日向の開拓地を訪ふ】
開拓の日々いかばかり難かりしを面穏やかに人らの語る
戦後七十年に当たる本年、天皇皇后両陛下は、六月から八月にかけて、
戦後の引揚者により開拓された宮城県蔵王町北原尾地区、栃木県那須町千振地区、長野県軽井沢町大日向地区を御訪問になった。
この御製は、各地区で入植者らと懇談され、その話をお聞きになられたときのことを詠まれたもの。
【新嘗祭近く】
この年もあがたあがたの田の実りもたらさるるをうれしく受くる
新嘗祭においては、毎年、各都道府県の農家から献上された新穀が供えられており、
天皇皇后両陛下は、各都道府県の関係者と献上農家にお会いになって感謝の気持ちをお伝えになる。
本年も新嘗祭が近づき、新穀の献上を受けられての御製。
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