イシューからはじめて、
仮説を組み立て、分析、アウトプットした後、
通常ビジネスでは、プレゼンとなります。
この本では最終章に「メッセージドリブン」として、
「伝えるもの」をまとめるという実践的な話が書かれています。
まず、
「どのような状態になったらこのプロジェクトは終わるのか」
という具体的なイメージを描いて、
まとめの作業にとりかかるべきと筆者は主張しています。
単に資料や論文ができればいいわけではないと。
そして、
プレゼンでは、聞き手・読み手と自分の知識ギャップを埋めることが必要。
聞き終わったとき、あるいは読み終わったときに、
受け手が語り手と同じように問題意識を持ち、
同じように納得し、同じように興奮してくれているのが理想。
そのためには受け手に対し、
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1、意味のある課題を扱っていることを理解してもらう
2、最終的なメッセージを理解してもらう
3、メッセージに納得して、行動に移してもらう
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必要があると。
政治活動も一緒ですね。
オバマ大統領の演説を思い起こしました。
スティーブ・ジョブズのプレゼンも同じですね。
さらに筆者は、
受け手(あるいは読み手)はどういう人たちと想定すべきかについて、
分子生物学の分野で伝えられるとされる心構え、
「デルブリュックの教え」を提示しています。それは、
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ひとつ、聞き手は完全に無知だと思え
ひとつ、聞き手は高度の知性をもつと想定せよ
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矛盾しているようですが、
聞き手というものは、
的確な伝え方をすれば必ず理解してくれる存在として
信頼しましょう。
「賢いが無知」という想定をすべきであると。
そして、まとめるときには、
本質的かつシンプルということを常に考え、論理構造を確認し、流れを磨く。
「イシューからはじめる」という前提そのものが、
本質的かつシンプルな発想なのではないかなと
感じさせてくれる良書でした。
アマゾンレビューでの評価も総じて高いですし、
知的生産に携わる方々にはオススメですので、
ぜひとも読んでみてはいかがでしょうか。
イシューからはじめよ─知的生産の「シンプルな本質」安宅和人 (著)
はじめに 優れた知的生産に共通すること
■序章 この本の考え方─脱「犬の道」
■第1章 イシュードリブン─「解く」前に「見極める」
■第2章 仮説ドリブン(1)─イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる
■第3章 仮説ドリブン(2)─ストーリーを絵コンテにする
■第4章 アウトプットドリブン─実際の分析を進める
■第5章 メッセージドリブン─「伝えるもの」をまとめる
おわりに 「毎日の小さな成功」からはじめよう
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