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新規開業企業は既存企業よりも売上増加傾向が顕著─日本政策金融公庫「2014年度新規開業実態調査」

昨年平成26年、つくる仙台では、
中小企業庁「平成26年地域創業促進支援事業」の委託を受け、
起業したいという方々のための創業スクールを開催しました。

毎年、日本政策金融公庫では、
起業に関する調査を公表していますので、
起業支援をしている方々、
起業したいなと思っている方々は目を通しておくのがよいのではないかと思います。

ちなみに過去の調査についても、
紹介しております。


「女性起業家の開業が経済活性化のカギを握る─日本政策金融公庫総合研究所調査」(14/1/3)


「55歳以上シニア起業家の開業─日本政策金融公庫総合研究所調査」(13/1/3)



この調査をもとに私自身も、
起業支援の方向性を考えています。

昨年はこの調査を読み、
女性起業家支援に力を入れました。


最新の調査は、以下のレポートです。

「新規開業企業は既存企業よりも売上増加傾向が顕著
 ─日本政策金融公庫「2014年度新規開業実態調査」





【1 開業者の属性とキャリア】

~開業時の平均年齢は42歳前後で推移~

○ 開業時の年齢は「30歳代」が38.6%と最も多く、次いで「40歳代」が30.5%となっている。
  開業の主要な担い手となっているのは、「30歳代」「40歳代」である。

○ 開業時の平均年齢は42.1歳となった。
  1990年代から2000年代前半にかけて平均年齢は上昇傾向にあったが、近年は42歳前後で推移している。



~最終学歴は高学歴化の流れ~

○ 開業者に占める女性の割合は、16.0%となった。
  2000年代に入ってから女性の割合はやや高まり、15~16%で推移している。

○ 最終学歴は、「高校」の割合が27.7%と、調査開始以来、初めて30%を下回った。
  代わって、「大学・大学院」「専修・各種学校」が高まっており、高学歴化の傾向が読みとれる。



~管理職の経験があるのは7割弱~

○ 開業直前の職業は、「正社員(管理職)」の割合が44.9%と最も高く、次いで「正社員(管理職以外)」が29.2%となっている。
  長期的にみると、「正社員(管理職)」の割合が高まっている。

○ 勤務キャリアは、「勤務経験」がある割合は99.6%、「斯業経験」がある割合は85.0%と、
  多くはビジネス経験をもって開業している。また、「管理職経験」がある割合も68.8%となっている。




【2 開業の動機】

~約半数は「自由に仕事がしたかった」から開業~

○ 開業直前の勤務先を離職した理由は、「自らの意思による退職」が82.3%となっている。
  「勤務先の倒産・廃業」「事業部門の縮小・撤退」「解雇」を合わせた「勤務先都合」による離職は、2012年度、2013年度から減少している。

○ 開業動機は、「自由に仕事がしたかった」(49.6%)、「収入を増やしたかった」(46.9%)、「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」(40.8%)の順に多い。




【3 企業の属性】

~地域に密着して事業を展開~

○ 開業業種は、「サービス業」(22.2%)、「医療、福祉」(21.9%)、「飲食店、宿泊業」(14.9%)の順に多い。
  なかでも「医療、福祉」は、年々、割合が高くなってきている。

○ フランチャイズ・チェーンに加盟している企業の割合は、7.3%となった。

○ 商圏の範囲は、「事務所や店舗の近隣」が20.3%、「同じ市区町村内」が36.6%となっており、過半数が地域に密着して事業を展開しているといえる。



~従業者数は開業時から平均1.4人増加~

○ 開業時の平均従業者数は4.0人、調査時点の平均従業者数は5.5人で、その増加数は1.4人であった。
  内訳をみると、「常勤役員・正社員」が1.0人から1.6人、「パートタイマー・アルバイト」が1.5人から2.2人となっており、それぞれ0.5人、0.7人増えている。


~同業他社にはない新規性を打ち出して開業~

○ 事業内容について、ベンチャービジネスやニュービジネスに「該当すると思う」と考えている開業者の割合は11.6%で、
  約7割の開業者は「該当するとは思わない」と回答している。
  新技術・新商品やビジネスプランなどのコンテストでの受賞経験や、商品・サービス開発時の他社や大学との連携の割合も低く、
  革新的なビジネスや商品・サービスなどを展開している開業者は多くない。
  しかし、同業他社と比べた際の事業内容の新しい点が「大いにある」「多少ある」と考えている開業者の割合は合計70.6%で、開業者の多くは同業他社にはない新規性を打ち出している。




【4 開業費用と資金調達】

~開業費用の低下傾向に一服感~

○ 開業費用の分布をみると、「500万円未満」の割合が32.5%と最も高く、次いで「500万~1,000万円未満」が31.8%となっている。
  「500万円未満」の割合は長らく増加傾向にあったが、ここ3年は減少している。

○ 開業費用の平均値は1,287万円、中央値は700万円であった。
  「500万円未満」の割合が減少したことによって平均値と中央値は2013年度よりも高くなっている。
  開業費用の平均値は2008年度以降、おおむね横ばいの状態となっている。


~主な資金調達先は金融機関等からの借入と自己資金~

○ 開業時の資金調達額は平均で1,464万円となり、1991年の調査開始以後、最も低い水準であった2013年度(1,337万円)より127万円増加した。
  資金の調達先に関しては、「金融機関等からの借入」が平均928万円(平均調達額に占める割合は63.4%)、「自己資金」が平均350万円(同23.9%)となっており、
  両者で全体の87.3%を占める。



~9割が開業費用を節約する取り組みを実施~

○ 開業費用を節約するために行ったことを尋ねると、開業者の半数(51.3%)が「中古の設備や備品を購入した」と回答している。
  このほかにも、「取引先と交渉して有利な取引条件にした」(27.8%)、「レンタルやリースの設備や備品を利用した」(26.1%)、「従業員を雇用せず家族に働いてもらった」(22.7%)など、
  さまざまな取り組みを実施しており、「開業費用を節約するために行ったことはない」という開業者は9.9%にすぎない。




【5 開業後の状況】

~予想月商を達成した企業は増加~

○ 現在の業況を尋ねたところ、平均月商は366.9万円であった。
  2013年度とほぼ同じ水準であるが、予想月商達成率が「125%以上」「100~125%未満」の割合は、それぞれ24.6%から27.1%、23.8%から26.2%と増加しており、予想を上回る月商を上げている企業は増加している。

○ 現在の売上状況が「増加傾向」である割合は64.8%と、その割合は徐々に高くなっている。
  しかし、採算状況が「黒字基調」である割合は64.9%で大きな変化はみられない。


~現在の売上状況は既存企業よりも良好~

○ 現在の売上状況について既存企業と比較すると、「増加傾向」の割合は新規開業企業は64.8%であり、既存企業の24.2%よりも高い。
  新規開業企業は顧客の需要を着実につかんでいるといえる。

○ 現在の採算状況について「赤字基調」の割合をみると、新規開業企業と既存企業はそれぞれ35.1%、33.1%であり、大きな違いはない。



~「資金繰り、資金調達」や「顧客・販路の開拓」などが課題~

○ 開業時に苦労したことは、「資金繰り、資金調達」(47.7%)、「顧客・販路の開拓」(45.6%)、「財務・税務・法務に関する知識の不足」(33.8%)の割合が高かった。
  現在苦労していることでは「顧客・販路の開拓」が44.2%と最も多かったが、「資金繰り、資金調達」も39.7%と、引き続き大きな課題となっている。
  また、開業時と比べると「従業員の確保」「従業員教育、人材育成」といった人的資源に関することで苦労しているという回答が増加している。






【まとめ】

○ 十分なビジネス経験をもとに開業を果たしている

開業時の平均年齢は42.1歳。85.0%の開業者が現在の事業に関連する仕事をした経験(平均13.9年)があり、68.8%の開業者が管理職として働いた経験(平均10.1年)がある。
事業の実務や人材の管理に関する十分な経験をもとに開業を果たしている。

○ 地域に密着して事業を展開している

開業した業種は「サービス業」(22.2%)、「医療、福祉」(21.9%)、「飲食店、宿泊業」(14.9%)など、地域に根差して営業する業種が多く、
商圏の範囲についても「事務所や店舗の近隣」が20.3%、「同じ市区町村内」が36.6%となっている。
過半数の企業が地域に密着して事業を展開している。

○ 同業他社にはない新規性を打ち出している

事業内容がベンチャービジネスやニュービジネスなどに該当すると考えている開業者は11.6%と少ないが、同業他社と比べて事業内容に新しい点が「大いにある」と考えている開業者は17.7%、「多少ある」と考えている開業者は52.9%である。
「大いにある」と「多少ある」を合わせると、7割の開業者が同業他社にはない新規性を打ち出し、市場に新たな価値を提供している。

○ 既存企業よりも売上状況が増加傾向の割合が高い

現在の売上状況が「増加傾向」である割合は64.8%、「減少傾向」である割合は5.2%である。
既存企業では「増加傾向」が24.2%、「減少傾向」が42.5%であり、新規開業企業は既存企業よりも売上状況が増加傾向である割合が高い。
新規開業企業は地域に密着して事業を展開していることから、地域経済活性化の役割が期待される。
新規開業企業は十分なビジネス経験をもとに地域に密着した事業を展開。
既存企業にはない新規性を打ち出して売上を伸ばしている。
市場に新たな価値を提供することで、地域経済を活性化させる役割が期待される。









こうした調査を見てみると、
起業成功のヒントがたくさんちりばめられているように感じます。

公庫の調査に回答する企業はおおむね起業後成長している起業と推測されますので、
この回答はさらに説得力があると考えられるでしょう。

要約すると、

斯業経験を積んでから起業する
地域性のあるビジネスをつくる
新規性を打ち出したビジネスをつくる


この三点は非常に重要であると感じます。


創業スクールは終わり一段落しましたが、
これからも志ある起業家予備軍の方々の支援に力を入れていきたいと思っております。



起業に関するご相談はこちらへ

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