2015/01/02
平成27年天皇陛下のご感想(新年に当たり)
新年に当たり、宮内庁から天皇陛下のご感想が発表されています。
毎年このご感想を読んでいるのですが、
行く年と来る年の大きな指針が、
このご感想を読むと見えてくるのではないかと思っています。
政治のあり方は「心を寄せる」ことにあるのではないかと、
そんなことをお言葉とお歌から感じます。
読者のみなさんに天皇陛下のご感想と
御製三首をシェアしたいと思います。
天皇陛下のご感想(新年に当たり)
平成27年
昨年は大雪や大雨,さらに御嶽山の噴火による災害で多くの人命が失われ,家族や住む家をなくした人々の気持ちを察しています。
また,東日本大震災からは4度目の冬になり,放射能汚染により,かつて住んだ土地に戻れずにいる人々や仮設住宅で厳しい冬を過ごす人々もいまだ多いことも案じられます。
昨今の状況を思う時,それぞれの地域で人々が防災に関心を寄せ,地域を守っていくことが,いかに重要かということを感じています。
本年は終戦から70年という節目の年に当たります。
多くの人々が亡くなった戦争でした。
各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。
この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。
この1年が,我が国の人々,そして世界の人々にとり,幸せな年となることを心より祈ります。
御製三首 平成二十六年
【神宮参拝】
あまたなる人らの支へ思ひつつ白木の冴ゆる新宮に詣づ
天皇皇后両陛下は、本年三月、昨年式年遷宮を終えた神宮を御参拝になった。
この御製は、御参拝に際しお感じになった式年遷宮に尽力した多くの人々への感謝のお気持ちをお詠みになったもの。
【来たる年が原子爆弾による被災より七十年経つを思ひて】
爆心地の碑に白菊を供へたり忘れざらめや往にし彼の日を
天皇皇后両陛下は、本年十月、第六十九回国民体育大会御臨場等のための長崎県行幸啓の折、原子爆弾の爆心地に建立された碑に御供花になった。
この御製は、来年が原爆による被災から七十年を迎える節目の年であることに思いを致され、原爆の惨禍を忘れてはならないとのお気持ちを込めて御供花になったことをお詠みになったもの。
【広島市の被災地を訪れて】
いかばかり水流は強くありしならむ木々なぎ倒されし一すぢの道
天皇皇后両陛下は、本年十二月、同年八月に発生した豪雨災害による被災地お見舞い等のため広島県を御訪問になった。
この御製は、広島市安佐南区の被災現場を御視察になり、甚大な被害をもたらした水の流れのすさまじさをお感じになってお詠みになったもの。
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