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いまマインドフルネスが注目される理由─一瞬一瞬を大切にすれば結果は変わる─エレン・ランガーハーバード大学教授─DIAMOND Harvard Business Review

ハーバード大学のエレン・ランガー教授が、


『DIAMOND Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2014年9月号』に、


「いまマインドフルネスが注目される理由─一瞬一瞬を大切にすれば結果は変わる」


というインタビューを受けていますので、
これをみなさんにシェアしたいと思います。



DIAMOND Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2014年9月号


─────────────────────────
マインドフルネスとは、惰性でいつも通りに行動するのではなく、
身の回りで生じている出来事に注意を払うことによって、
ストレスの軽減、創造性の発揮、パフォーマンスの向上につながるという考え方だ。

マインドフルネスに関する研究は、
行動経済学やポジティブ心理学などさまざまな分野に、
40年近くにわたって多大な影響を与えてきた。

本稿では、この分野の第一人者であるエレン・ランガー氏に、
マインドフルネスであることが、私たちのパフォーマンスにどれほどの影響を与えるのか、
マネジメントやリーダーシップにどのように活かされるのかを聞く。
─────────────────────────


エレン・ランガー教授のマインドフルネスに関する研究は、
多大な影響を与えてきました。

たとえば、「心の時計の針を巻き戻す」実験では、
高齢の男性被験者たちに20年前の自分に戻ったと仮定して行動してもらったところ、
それだけで健康状態が改善したという結果が得られました。


マインドフルネスとは具体的にどのようなものか?
ランガー教授は以下のように答えています。

マインドフルネスとは、新しい物事に能動的に気づくプロセス。
これを実行すると、

「いまこの時」

に向き合うようになり、
状況や全体像を敏感にとらえられるようになります。

こうなると、物事に熱中し活力にあふれている状態である
エンゲージメントの本質に重なります。

エネルギーを消費するのではなく生み出す状態。

多くの人があれこれ考えるのは
ストレスが多くて消耗しそうだと思い込んでいますが、
それはまちがい。

本当にストレスになるのは、
きちんと考えずにネガティブな判断を下したり、
解決できないような問題が見つかるかもしれないと心配したりすること。

私たちは皆、
安定を求め、物事が静止した状態を保とうとします。
それができればコントロール可能だと考えるからです。

しかし物事はたえず変化していますから、
この考え方は適用しません。
実はこのような考え方のために、かえってコントロールする能力を失っているのです。



マインドフルになる具体的なメリットは何か?


たとえばパフォーマンスが向上します。

ランガー教授は以前、交響楽団のメンバーを対象とする研究を実施しました。
彼らは自分の仕事に退屈し切っていました。
同じ曲を何度も何度も演奏するわけですが、ステータスの高い仕事ですから簡単に辞めることはできません。

この研究は以下の通り。

複数の楽団に演奏してもらい、
ある楽団には、これまでの自分たちの演奏で最もよかったパフォーマンスを再現するようにと指示しました。
つまり、かなりマインドレスな状態で演奏してもらいます。

別の楽団には、各自の演奏に新たな変化を少しだけ加えるようにと指示しました。
つまりマインドフルに演奏してもらいます。


それぞれの楽団の演奏を録音し、
実験内容をまったく知らない人たちに聴かせたところ、
マインドフルな演奏のほうが圧倒的に支持を集めたのでした。

一人ひとりが自分の仕事をすることで、集団のパフォーマンスが上がりました。
みんなが同じ状況を共有し、「いまこの時」に全力で向き合えば、
組織としてよりよいパフォーマンスにならないはずがないというわけです。


また別の研究では、
失敗作の別の使い道を参加者に考えてもらう実験を実施。
もっともクリエイティブな用途を思いついたのは、
マインドフルなグループでした。

だれでも、よくわからない状態でスタートし、何かを決断します。
失敗してしまったら残念ですが、それはあくまで、ある一つの決断に従った結果として起こったことにすぎません。

決断はいつでも変更することができ、
別の方法を取ればもっとよい結果が出るかもしれません。

マインドフルな人は失敗を味方にできるのです。


マネジャーがもっとマインドフルに行動するために、できること。

ランガー教授は、
自分の思考が相手に全部丸見えだと想像してみるのは一つの方法だと指摘します。

そうすれば、相手について悪いことを考えようと思わなくなる。
相手の考え方を理解しようとするはずだと。

そして、ランガー教授は、
仕事と生活のバランスではなく調和を推奨。

バランスというと、両者が正反対に位置して共通項がない印象を受けますが、
実際はそうではありません。

仕事も生活も大部分が人に関わること。
どちらにもストレスがあり、守るべきスケジュールがあります。

両者を切り離して考えていては、
一方の領域で成功したことを、もう一方に活かすことができません。

マインドフルにとらえれば、
領域は人がつくり出したものにすぎず、
それに縛られる必要はないことがわかります。

そして、ストレスは何らかの出来事によって生じるのではなく、
その出来事のとらえ方によって生じるのです。



マインドフルネスについて、
ランガー教授が心から言えることとして、
以下のように述べられています。


「人生は一瞬一瞬で成り立っており、それがすべてです。
 したがって、その一瞬一瞬に意味を持たせることで全体が意味を持つことになります。

 私たちはマインドフルに行動することもあれば、マインドレスに行動することもあります。
 勝つこともあれば、負けることもあります。

 いちばん困るのは、マインドレスに行動して負けることです。

 何かに取り組む時は、マインドフルになり、
 新しいことに目を留め、それを自分にとって有意義なものにしましょう。

 そうすればあなたはきっと成功できます。」




近年注目されている「マインドフルネス」。

この効用は人生にとって実に大きいのではないかと
ランガー教授のインタビューを読んで感じました。

日々ついつい惰性に陥ってしまうことがありますが、
そうではなく、身の回りに起きているちいさな出来事にしっかり注意を払い、

「いまこのとき」をしっかりと生きることが大事だとあらためて感じました。





DIAMOND Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2014年9月号



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【グローバル】 どうすれば真のグローバル化を実現できるのか
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【人的管理】 心身ともに活性化することのメリットは大きい
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過去の意思を未来につなぐために
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理論を思考の軸に変える世界標準の経営理論
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アシュウィン・スリニバサンCEB マネージング・ディレクター ブライアン・クレイCEB シニア・ディレクター
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