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「地域をつなぐ“家守(やもり)”によるリノベーションまちづくり~福岡県北九州市・小倉のまちの再生」(いよぎん地域経済研究センター)

⇒ 「地域をつなぐ“家守(やもり)”によるリノベーションまちづくり~福岡県北九州市・小倉のまちの再生:西日本レポート」
 (いよぎん地域経済研究センター)



わが国における少子高齢化の問題は深刻であり、
いますぐにでも手を打っていかなければなりません。

それに伴い、全国どこでも中心市街地の衰退や空洞化が問題となっているところです。


そこで出てくるキーワードが、

「リノベーション」


リノベーションとは、

建物の改修などにより、新たな機能や、付加価値を増大させ、
不動産の再生を図る取り組み。



このレポートでは、
北九州市のまちづくり事業について、
とりあげられていますので、
みなさんにシェアしたいと思います。


北九州市は九州第二の規模を誇る政令指定都市。
しかし、中心市街地では事業所が福岡市へ流出するなどし、
空き店舗、空きビルが増加していました。


そこで北九州市は、

「リノベーションまちづくり推進事業」

をスタートさせ、専門家の協力を得た再生事業に取り組みました。


これには、東京の神田周辺などで街の再生に携わった実績を持つ、
アフタヌーンソサエティの代表清水義次氏が協力しました。

清水氏からは、

「まちづくりにおいては、指針になるものが必要」

とのアドバイスを受け、

清水氏が提唱していた「現代版家守」の手法を取り入れた小倉中心部の振興プランをつくることになりました。



「家守」とは江戸時代における長屋の大家の呼称。

家守は、単なる借家管理や家賃徴収だけでなく、
借家人の生活の面倒を見たり、もめ事の仲裁を行ったり、
さらには、奉行所への取り次ぎを行うなど、
地区のマネージャーのような存在でした。

それを現代に復活させたものが「現代版家守」。

「現代版家守」は、

行政・地域住民と連携して、
空き店舗や空きビルをリノベーションし、
チャレンジショップやスモールオフィスに転用後、

その地域に起業家や事業者などを入居させ、
新しい産業やにぎわいを起こして、地域を活性化しようとする者のこと。



2010年7月、北九州市は振興プランをつくるために

「小倉家守構想検討委員会」

を立ち上げます。

2011年2月には、小倉地区の遊休不動産や公園・広場などをリノベーションの手法を用いて再生し、
多様な都市型ビジネスを集積させて、質の高い雇用を創出することにより、
産業振興やコミュニティ再生を目指す街なか振興プラン

「小倉家守構想」

を策定しました。


空き家の再生だけでなく「まちの再生」をめざしたのでした。



その間、まちなかの魅力づくりと入居者支援を担う人材「家守」の発掘・育成を目的に

「小倉家守講座」

を開催。

2011年3月には具体的なリノベーション手法などを学ぶために、
一般社団法人HEAD研究会(既存建築ストックの再生によるより豊かな居住環境の形成を目指すグループ)
の協力のもと、「リノベーションシンポジウム北九州」を開催しました。

シンポジウムは参加者約200人の盛況となり、
これが北九州市のリノベーションまちづくりの礎となります。


清水氏は「実践力のある人」を委員会のメンバーにしたいとして、
遊休不動産の所有者でもある商店街の中心人物などを集めます。

その中のオーナーの一人梯氏は、
すぐに建築家とともに構想の実現に向け取り組みをスタートさせ、
2011年6月にはリノベーション第1号となる

「メルカート三番街」

をオープンさせます。

取り組みスタートから約一年というハイスピードの事業化でした。
これを機に、小倉では一気にリノベーションの輪が広がったのですが、
その背景には、まちづくり事業のエンジンとなる

「リノベーションスクール」

という重要な仕掛けの存在がありました。



リノベーションスクールは、

「リノベーション」と「リノベーションまちづくり」を学ぶ場。

スクールは4日間で行われ、
北九州中心市街地周辺に実在する遊休案件を題材にリノベーション事業計画を立案。

最終日には「スクール後に実事業化させること」を前提に公開プレゼンテーションが行われる。

受講生は10名程度のユニットに分かれ、
各ユニットには2名程度の専属ユニットマスターがつき、計画立案を手助け。

受講期間中に、エリアや対象案件の読み取り方・見立て方、
事業計画や事業収支の組み立て方、
プレゼンテーションの技術などを学ぶことができます。

これらを通して受講生はその知識をそれぞれの地域や業界でまちづくりの実践に活かせるようになるのです。


スクールは年二回開催。
2014年4月までに計6回開催されています。

受講生は累計300人を超え、
回を追うごとに受講希望者が増加。

不動産関係者だけでなく、
行政や商工団体、金融関係など異業種の人が全国各地から集まり、
なかにはすでに各々の地域でリノベーションまちづくりに取り組んでいる受講生もいるようです。

スクールの運営は、2012年4月に発足した地元の産官学連携任意団体「北九州リノベーションまちづくり推進協議会」が、北九州市から委託を受けて実施。

スクールは、民間主体の官民連携の事業であり、
行政はあくまでサポート役に徹しています。

第4回までのスクールでリノベーションの対象となった17件の案件中11件がすでに実現、もしくは計画が動いています。

この事業化に向けて、大きな役割を果たしているのが、

「株式会社北九州家守舎」

同社は、スクールの提案をオーナーが事業化する際のサポートを行うために、
2012年4月に設立されました。

発起人は建築家、小倉駅北口でカフェ経営をしているインキュベーションマネージャー、
北九州市立大学准教授、九州工業大学准教授。
それぞれが得意分野を持った専門家集団。

具体的には、スクールでの提案に基づく改修設計や転貸事業、物件の運営・管理、イベントの企画など多様な事業を行う、「現代版家守」。



このリノベーションまちづくりの取り組みは、
新たな雇用と事業の創出に確実につながっています。

「メルカート三番街」には若手デザイナーやクリエイター10組が入居。

これまで若い事業者たちは、中心市街地に活動の場を設けたくても、
商店街のテナント賃料が高く、入居しづらかったのでした。

そこで、新規事業の立ち上げを促すため、
家賃は周辺相場よりも安価に設定したそうです。

改修を必要最低限にとどめ、
不動産所有者の初期投資を抑え、
1フロアを2から20坪の小区画に区切ったことで、
安価な家賃設定が可能となります。

また小区画にすることで、より多くの人が入居可能となり、
集まった事業者たちはビル内でイベントを実施するなど、コミュニティも再生しました。


その結果、2014年4月までのリノベーションによる創業・新規雇用者数は194人に上ります。

いままでの商店街になかったテナントは、
新しい顧客を呼び込むきっかけにもなります。

特に、若い人が増え、商店街の通行量も緩やかながらも回復傾向、
にぎわいが戻りつつあるそうです。

また同市の魚町商店街は、
平成25年度経済産業省の「がんばる商店街30選」に選ばれ、
リノベーションまちづくり事業は国土交通省の「土地活用モデル大賞」の審査委員長賞を受賞しました。







北九州のリノベーションまちづくりの取り組みを知り、
仙台や東北各地の商店街でこうした取り組みを生かせないかと思いました。

北九州と同じようにどこでもうまくいくわけではありませんが、
しかし試行錯誤しながらも、
この地域の活性化、商店街の活性化に本気で取り組む人がいれば、
何らかの化学反応の連鎖が起きるのではないか、
そんな印象を抱きました。

読んでいて、非常に面白いレポートでした。






⇒ 「地域をつなぐ“家守(やもり)”によるリノベーションまちづくり~福岡県北九州市・小倉のまちの再生:西日本レポート」 (いよぎん地域経済研究センター)
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仙台市でも取り組んでいます。
せんだいリノベーションまちづくり

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