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次世代への引継ぎ(事業承継)事例紹介-親族以外への事業承継を円滑に行った企業 -計画的な人材育成で親族外事業承継を実現 スタック電子株式会社【東京都昭島市】

ちいさな会社を経営されている方の中で、
経営者が高齢化してきているところは少なくありません。

そしてその経営者の後継者が決まっているところはなかなかないのが現状です。

多くは、経営者に子供がいても、
本人に事業を継承する気がないとか、

後継者にしたいと思う役員、社員がいても、
経営者になるということは個人保証、つまり借金をたくさんすることになるので、
家族の大反対にあい、継承させられない、

などなど、多くの理由から、
わが国の伝統ある中小企業の多くは、
後継者不足に悩んでいるところです。


こうした後継者不足に悩む中小企業をマッチングさせるM&Aなどは最近非常にさかんですね。


次世代への引き継ぎについて、

中小企業白書2013に、

「創業者による事業承継の準備や承継後の後継者支援により、社員への事業承継を円滑に行った企業」

ということで、事業承継の事例が紹介されていますので紹介したいと思います。



⇒ 次世代への引継ぎ(事業承継)事例紹介-親族以外への事業承継を円滑に行った企業
-計画的な人材育成で親族外事業承継を実現 スタック電子株式会社【東京都昭島市】
(日本政策金融公庫中小企業だより2014.1)





ここで取り上げられている企業は、
東京都昭島市のスタック電子株式会社で、

親族以外の事業承継を早くから見据え、
計画的に準備を行い、
円滑に事業を承継した企業の事例となっています。


この企業を見る前に、
日本全体で「事業承継」を見てみましょう。

2008年から2012年にかけて事業承継した中規模企業における「承継形態」についてですが、


社外の第三者を含めた親族以外による承継(57.6%)

親族による承継(42.4%)



となっています。

「役員・従業員の理解を得やすい」
「社内の士気が高まる」


などの観点から、親族以外の承継に関心が高まっていることがわかります。


ここで事例のスタック電子株式会社ですが、
東京都昭島市の高周波無線、光関連の伝送機器の開発、製造の会社で、
資本金7000万円、従業員は55名、創業昭和46年という会社です。

このスタック電子を創業した、
現在、相談役の田島瑞也氏は平成23(2011)年、67歳で社長職を退き、
専務だった渡辺勝博社長への事業承継が行われました。

田島相談役は以前から、社員に対し、

「65歳で引退する」

と宣言していましたが、
誰も本気にしていませんでした。

しかし平成21(2009)年6月、
経営戦略会議の席で正式に引退することを発表します。


このレポートでは、
スタック電子が事業承継に成功した理由として、
3つのポイントをあげています。


─────────────────────────
【スタック電子に学ぶ3つのポイント】

1、早い時期から、計画的に準備

2、承継後は、間接サポートに徹する

3、組織として次期社長を支える人材教育の徹底

─────────────────────────



【1、早い時期から、計画的に準備】

このスタック電子は創業時、元同僚4名でつくられた会社でした。
田島相談役は、当時上司と部下3名という関係でなった社長だったことから、

「親族以外への事業承継」

を公言していました。


「企業は人なり」

との考えから、スタック電子は人材の採用と育成に力を注いできました。
しかしちいさな会社、創業10年にしてようやくはじめて高卒社員を一人採用することができます。

その後徐々に大卒を採用できるようになり、
現在は正社員の72%が新卒採用なのだそうです。

事業に取り組むことで精いっぱいだったわけですが、
10年くらい前から本格的に後継者の育成に取り組み始めます。


当初田島相談役は「理想の組織図」を描きます。
自分より能力の高い社員を採用しているので、
教育してそれなりのポストにつかせれば、自分の代わりができないはずがないと。

階層別研修、専門教育、様々な研修をさせます。
しかし後継者はいつまでたっても育ちませんでした。


なぜか?


──────────────────────────
【引用ここから】


突き詰めて考えたのち、
私は間違っていたことに気が付きました。

いわゆるトップは、
将来に何の保証もされない不安定な立場なんですね。

それに対し、社員は会社に来さえすれば立場が保証される安定した人たち、この差だと。

経営者と同じ覚悟でやってもらえるなんていうのは、しょせん理想論だとわかりました。


【引用ここまで】
──────────────────────────


そのため、田島相談役は方法を変えます。
組織図ありきではなく、まず人ありきで考えることに。

自分と同じ“想い”でやれそうな人をあらかじめ何名か選抜し、
その人たちで組織をつくってしまおうと。

結果、ものすごく無理に詰め込まれた事業組織であったり、
機能が兼務で特定の人に集中したりするのですが、
考えてみたら中小企業のオーナー社長というのは、ほとんどそうだと。


渡辺現社長を含む16名を後継者候補として選抜し、
後継者育成研修を実施。

東京農工大学の古川勇二先生を中心とする専門チームに、
スタック電子用にカスタマイズし作っていただいたMOT(技術経営)と呼ばれるプログラムでした。





【2、承継後は、間接サポートに徹する】

想いを共有できるかという判断基準は、どこにあったか。

田島相談役はそれは簡単だと。


「経営計画のPDCAに対する切実さ」


知恵も能力もある、サボっているわけでもない。
ただ、「がんばったけどダメでした」では経営は成り立たない。
その意識の差だと。


田島相談役は5年前、本人には伝えずに後継者を渡辺社長に決めます。

管理会計をはじめ経営者の視点から会社全体を見ることができるように、
入社当時は技術、以来24年間、営業部だった渡辺社長を、
短期間で製造や総務に異動させます。

また、取引銀行との面談にも同行させ、
実務を見せると同時に、外部への周知も行いました。


田島相談役は社長を譲った後は表に立たず、
影のサポート役に徹します。

会長である二年間は、

「何かあれば責任を持つから、稟議書はあなたの判断でやりなさい。
 一応最後に目だけは通すから」

と言っていました。


渡辺社長は実際に社長に就任し、

「責任の重さが想像以上であった」

と感じます。

自分の発言が一人歩きしてしまうので、
会社がいいときもわるいときも、社長は決して口に出せない。





【3、組織として次期社長を支える人材教育の徹底】

田島相談役は、「経営者は孤独である」、
だからこそ渡辺社長の手足となり支えてくれる人たちが、
社長と同じ“想い”になってやってくれないと困る、

そこで本丸を守る人たちという意味合いで、

「TAJIMA塾」

と称し、部長等経営幹部の育成講座を行います。
次代の後継者候補にもなると。

実際に会った出来事を題材にし、
「社長がそのときどう考えたか」
を裏事情を含め赤裸々に語りました。


「渡辺社長はいま、こういうことで悩んでいるはず。
 だったら自分はこうしよう」

と想像する力を養えるようにと。





事業承継と一口に言っても、
なかなかうまくいく事例は多くはありません。

しかしこのスタック電子の事例、
3つのポイントは、事業承継を考える経営者の方々には、
大きなヒントとなるのではないでしょうか。
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