2014/01/02
平成26年天皇陛下のご感想(新年に当たり)
新年に当たり、宮内庁から天皇陛下のご感想が発表されています。
毎年このご感想を読んでいるのですが、
行く年と来る年の大きな指針が、
このご感想を読むと見えてくるのではないかと思っています。
政治のあり方は「心を寄せる」ことにあるのではないかと、
そんなことをお言葉とお歌から感じます。
読者のみなさんに天皇陛下のご感想と
御製五首をシェアしたいと思います。
天皇陛下のご感想(新年に当たり)
平成26年
東日本大震災から3度目の冬が巡ってきましたが,放射能汚染によりかつて住んでいた地域に戻れずにいる人々や,仮設住宅で厳しい冬を過ごす人々など,年頭に当たり,被災者のことが改めて深く案じられます。
昨年も,多くの人々が様々な困難に直面し,苦労も多かったことと察していますが,新しく迎えたこの年に,国民皆が苦しい人々の荷を少しでも分かち持つ気持ちを失わず,助け合い,励まし合っていくとともに,世界の人々とも相携え,平和を求め,良き未来を築くために力を尽くしていくよう願っています。
雪の深くなる季節,屋根の雪下ろしの事故には十分に気を付けてください。
本年が,我が国の人々,そして世界の人々にとって幸せな年になることを祈ります。
御製五首 平成二十五年
【あんずの里】
赤き萼の反りつつ咲ける白き花のあんず愛でつつ妹と歩みぬ
天皇皇后両陛下は、本年四月、長野県を御訪問になり、千曲市のあんずの里スケッチパークにおいて、あんずの花を御覧になった。
この御製は、その時の情景をお詠みになったもの。
【大山ロイヤルホテルにて】
大山を果たてに望む窓近く体かはしつついはつばめ飛ぶ
天皇皇后両陛下は、本年五月、全国植樹祭御臨場のため鳥取県を御訪問になり、伯耆町の大山ロイヤルホテルにお泊りになった。
この御製は、大山を望むホテルのお部屋の窓近くを、イワツバメが体をかわしながら飛ぶ光景を御覧になり、お詠みになったもの。
【水俣を訪れて】
患ひの元知れずして病みをりし人らの苦しみいかばかりなりし
天皇皇后両陛下は、本年十月の全国豊かな海づくり大会御臨席のための熊本県行幸啓の際、海上歓迎行事御臨席及び御放流のため水俣市を御訪問になり、その折、水俣病患者とお会いになった。
この御製は、原因がわからないまま長年病気に苦しんできた水俣病患者にお心をお寄せになりお詠みになったもの。
【皇居にて二首】
年毎に東京の空暖かく紅葉赤く暮れに残れり
この御製は、東京の気候が年毎に暖かくなり、年末になっても皇居の紅葉がまだ赤く残っている様子をお詠みになったもの。
被災地の冬の暮らしはいかならむ陽の暖かき東京にゐて
天皇皇后両陛下は、一昨年及び昨年に引き続き本年も東日本大震災の被災地を御訪問になり、被災者をお見舞いになった。
この御製は、被災地において厳しい冬を過ごす人々に思いを寄せられ、お詠みになったもの。
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