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論理より情熱が成否を分かつ【インタビュー】我々は永遠にベンチャーである─南場智子DeNA取締役ファウンダーDIAMOND Harvard Business Review

DeNAの南場智子取締役ファウンダーが、


『DIAMOND Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2013年8月号』に、


「我々は永遠にベンチャーである」

という内容でインタビューを受けていますので、
これをみなさんにシェアしたいと思います。


DIAMOND Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2013年8月号



───────────────────────────────────────
1999年、オークション・サイト<ビッダーズ>のサービスから始まったディー・エヌ・エー。

2005年に東証マザーズ上場、2007年に東証1部、瞬く間に<Mobage>で世界展開を図る大企業となった。

ほとんどのベンチャー組織が、その成長に伴って成熟期を迎えてしまう。

はたして同社は、起業家精神を保ち続けることができるだろうか。

そのためには、「ヒト」ではなく「コト」に集中する組織であれ、と南場智子氏は説く。
───────────────────────────────────────


一般に言われる

優秀な人



アントレプレナーシップを持った人

との違いは何か、南場さんは答えています。

ちなみに、「アントレプレナーシップ」とは「起業家精神」のことです。



それは「すべき」と「やりたい」の違いではないでしょうかと。



アントレプレナーシップを持つ人は、「やりたい」という強い意志を持つ人。
企業にとって「やりたい」と言ってくる人は非常に大切。


DeNAも企業規模が大きくなり、
知名度が上がるにつれて、
何万もの人が入社を希望してくれるようになった。

いわゆるエリートも増えている。

彼らは「こうすべきだ」という理由をロジカルに説得力をもって説明できるが、
はたしてこの人には自分が「こうしたい」という情熱があるのだろうかと考えてしまう。


「こうやりたい」と強く主張し、理由を問われても

「細かいことはともかく俺はこうしたいんだ」

とウォンツを情熱的に訴えられる人は、
一般的な優秀な人とは明らかに種類が異なる。



アントレプレナーシップで重要なのは、正しい道を選択することより、
選択した道を成功させること。

そして立ちはだかる壁を打ち破るにはチームの力が必要で、
その力の源泉は、「正しさ」ではなく「情熱」にある。

こう南場さんは述べています。




ここでインタビュアーが、

「普通は正しさのほうが説得力を持ってしまいませんか。」

と疑問を呈す。

南場さんは、社内報の発行を事例にこう説明しています。


「会社が大きくなってきたので、
 社内報を発行して社員の会社に対する気持ちを高めていくべきです」


「俺はこの会社が大好きだ。
 この会社のよさを、社内報を発行して社員みんなに何としても伝えたい」



─────────────────────────────
【引用ここから】


前者と後者では、まったく「艶」が違います。

この違いの根源にリーダーの強い情熱があることは、
周囲のだれもが感じるはずです。

やりたいことがある、
それに対する強い情熱がある。

それがすべてではないでしょうが、
アントレプレナーシップに情熱が必要なことは間違いありません。


同時に、常識を疑う力も欠かせません。
常識や正解に基づいて選択し行動すれば、大きな問題は起こりません。

賢く優秀な人ほど、そうなりがちです。

ただ、その延長線上に新規事業や事業拡大の可能性はないのです。


チャンスはだれも踏襲していないところにあり、
そのためには、どこか非常識な部分を持ち合わせていなくてはならない。

もちろん、業界の常識や利益を出すための常識を理解する力は必要ですが、
それでも、理解した瞬間から疑ってかかることが大切なのです。


【引用ここまで】
─────────────────────────────




やりたいことがある、
それに対する強い情熱がある。



南場さんのお話を読みながら、
これに尽きるのではないかと感じました。




また南場さんは「コト」と「ヒト」について以下のように語っています。


─────────────────────────────
【引用ここから】


また、組織が「コト」ではなく「ヒト」に向かう事態を避ける必要があります。

人に関心が向かい始めると政治的になり、
その瞬間、組織にアントレプレナーシップはなくなってしまう。

私がDeNAを誇りに思うのは、コトに向かう姿勢が徹底しているからです。

誰が言ったかではなく、何が正しいかに集中するからです。


【引用ここまで】
─────────────────────────────


また、組織が成熟すると価値観が定まり、ルーチンが生まれます。
南場さんは、

ルーチンは叩きのめさなければならないし、
個人的にもルーチン仕事が続くのは落ち着きません。

と述べおり、

同じパターンの会議が三カ月続いたら、それはやめたほうがいい、
と言っています。

ルーチンは会議から始まると。



そして、アントレプレナーシップにとって大事なのは、


「思考の独立性」


であると。

つまり、自分の考えを持てるか否か。


素直に考え直してみても同じ結論に達したら、

「俺はそう思わないんだよね」

と貫き通す。

それが、コトを成すという意味での優秀さ。


深く考えた末の結論に関しては頑固でいい。

大事なことに関することほど、
思考の独立性を持ち、自分が納得しない限り簡単に考えを変えないのがアントレプレナーシップ。



そして最後に、

「アントレプレナーシップは社員教育で育めるのか」

という問いには、こう答えています。



─────────────────────────────
【引用ここから】


一つは癖ですね。

小学校の時からだれかの意見に委ねるという癖を植えつけられてきた人に、
「本当はどう思うの」と迫っていくことです。


組織が大きく間違うのは、
トップの言うことを盲信する場合です。

どんなに優秀なトップでも、
すべての事業の情報をだれよりも詳細に把握し、ベストな判断はできません。

(中略)

私と一緒に仕事をしたことのある人は皆感じていると思いますが、
私は意見がすこぶる強く、

「こうするべきだ」

と言う時のエネルギーは強烈なんです。

にもかかわらず社員が抗ってきた時には、
よくぞこの私を突破しようとしてくれたと称賛しますね。

その時に初めて、
姿勢まで前のめりになってその人の話を聞きます。

そういう人の話こそ深く、
聞くに値すると考えているからです。


そこから激しいバトルになることもありますし、
結果的に私に分があることもあります。

でも、そうした人には一目置き、
重要な仕事を任せたいと思うのです。


【引用ここまで】
─────────────────────────────




南場さんのお話は、
起業家精神とは何かという意味で、
具体的な経験から語られる重みを感じます。


特に、

やりたいことがある、
それに対する強い情熱がある。


ウォンツ。


これは、「政治的起業」も同様ですね。


つくる仙台からこのような精神を持った起業家が、
どんどん生まれていってほしいと思いますし、
すでにそんな起業家がたくさんいるようにも感じました。






DIAMOND Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2013年8月号



Harvard Business Review
2013年8月号
特集:起業に学ぶ


論理より情熱が成否を分かつ
【インタビュー】我々は永遠にベンチャーである
南場 智子DeNA 取締役 ファウンダー

GEも活用する事業開発の新たな手法
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盛田昭夫 グローバル・リーダーはいかにして生まれたか
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藤原 帰一東京大学大学院 法学政治学研究科 教授
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産業の観点から考えよ
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BRAIN FOOD
初年度の競争がスタートアップ企業を強くする
アンドリュー・バーククランフィールド大学 教授 ステファニー・ハッセルズクランフィールド大学 講師





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