戦場のリーダーシップ─求められる「現場感覚」「大局観」「総合的判断力」【DIAMONDハーバードビジネスレビュー 】 - つくる!宮城県議会議員渡辺勝幸のブログ【仙台市若林区】
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戦場のリーダーシップ─求められる「現場感覚」「大局観」「総合的判断力」【DIAMONDハーバードビジネスレビュー 】

2010年12月15日 18:00

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坂本龍馬を描いた「龍馬伝」に出てくる「神戸海軍操練所」
ドラマ「坂の上の雲」に出てくる「帝国海軍」
どれも近代日本の礎となる話でありますが、

ここから少し後の話が、
今月号のハーバードビジネスレビュー特集

「日本軍 戦略なき組織 検証失敗の本質」

です。

今月号は、日本の歴史ものということで、
私の専攻分野でしたので、さらに興味深く読みました。

おもしろい論文はいくつかありましたが、
『失敗の本質』で有名な、
一橋大学名誉教授の野中郁次郎さんのインタビューがありました。

野中郁次郎さんは、
1984年に『失敗の本質』という学際的共同研究書を出版し、
大きな反響を呼びました。

最近は文庫にもなっていたかと思います。


その研究の中で得た重要な命題の一つは、

日本軍における過去の成功体験への過剰適用

とのこと。「成功は失敗のもと」と言っていますが、
戦後日本の政治組織、官僚組織も、

陸海軍の失敗から学んだようには見えないと、
野中さんは指摘しています。


これこそ「坂の上の雲」のことでしょうね。


興味深かったのは、野中さんが、
リーダーシップについて研究を進めていく中で、
突き当ったコンセプト、

それがアリストテレスの提唱した

「フロネシス(phronesis)」

という概念。これは、

「賢慮(prudence)」「実践的知恵(practical wisdom)」

と訳されるけれども、野中さんは

「実践知」と言っているそうです。



アリストテレスは、フロネシスを持つリーダーとして、
ギリシャの将軍、政治家であったペリクレスを思い描いたとのこと。

その本質は、「判断」にあるとし、


「共通の善」という価値基準をベースに、
一般論ではなく、個別具体の判断を適切に行う力、

つまり、そのつどの文脈のただなかで、
最善の判断ができるという実践知



という意味なのだそうです。


この話を読んでいると、「フロネシス」とは、
レベルの高いリーダーシップだと感じます。


「リーダーに必要なものは何ですか?」
と問われたときに、

「みんなをまとめる力です」
という答えがあったとしても、

場合によっては、みんなをまとめるリーダーが
よいとも限りません。


たとえば、硫黄島の戦いで指揮を執った
第109師団栗林忠道師団長は、

作戦立案の際に意見が対立した参謀を更迭しています。

硫黄島の戦いは、最後の一兵まで戦うことで戦略合理性を貫徹、
総死傷者数ではアメリカ軍のほうが多く、
出血持久というミッションは果たされたと評価されています。

切り捨てることがリーダーには必要な場合もあります。











フロネティック・リーダーの要件について、
野中郁次郎さんは6つの能力をあげています。


───────────────────────────────

1、善い目的をつくる能力

2、場をタイムリーにつくる能力

3、ありのままの現実を直観する能力

4、直観の本質を概念化する能力

5、概念を実現する政治力

6、実践知を組織化する能力、組織に組み込む能力

───────────────────────────────


日本軍指揮官のリーダーシップを検討するには、
さらにシンプルに考えた方がよいとのことで、以下の三点

1、現場の背後にある関係性を直観する「現場感覚」

2、本質を概念化・言語化する能力を備えた「大局観」

3、それらを実践する政治力を含めた「総合的判断力」

これらをもとに、

硫黄島の戦いの栗林忠道
沖縄戦の牛島満
インパール作戦の牟田口廉也
モンゴル撤退の根本博
レイテ沖海戦の栗田健男
キスカ島撤退作戦の木村昌福

の6人を事例研究しています。それぞれ大変勉強になりました。


フロネティックリーダーの育成に必要なのは何かという問いに、
野中さんは、


● 経験(修羅場経験、成功経験、失敗経験)

● 手本となる人物との共体験

● 教養


をあげました。

ここで、自分を振り返ってみると、
経験はけっこう重ねてきたし、
いろんなお手本となる方にもたくさん出会えたなあと思う一方で、
自分に教養は足りないなと反省。

少し教養を身につける努力をしてみたいと思います。


フロネティック・リーダーの6要件、
なかなかハードルは高いですが、

世に大事をなさんと欲するみなさんは、
ぜひ頭の中に入れてみてはいかがでしょうか。







『DIAMONDハーバードビジネスレビュー』


特集 日本軍「戦略なき組織」検証失敗の本質

求められる「現場感覚」「大局観」「総合的判断力」
戦場のリーダーシップ
野中郁次郎 一橋大学 名誉教授

山口多聞に見る理性と情熱のリーダーシップ
危機に積極策を取る指揮官
山内昌之 東京大学大学院 総合文化研究科 教授

昭和期陸軍の病理
プロフェッショナリズムの暴走
戸部良一 国際日本文化研究センター 教授

戦艦大和特攻作戦で再現する
合理的に失敗する組織
菊澤研宗 慶應義塾大学 商学部 教授

ノモンハン事件「失敗の教訓」
情報敗戦:本当に「欧州ノ天地ハ複雑怪奇」だったのか
杉之尾宜生 元 防衛大学 教授

生産現場から見た太平洋戦争
航空決戦と「航空機産業」の崩壊
新治 毅 星槎大学 共生科学部 教授

HBR Article
異なる経験が、リーダーの強みを左右する
出身軍隊別:元軍人CEOの適性診断
ボリス・グロイスバーグ ハーバード・ビジネス・スクール 准教授
アンドリュー・ヒル ハーバード・ビジネス・スクール 博士課程
トビー・ジョンソン 元 アメリカ陸軍大尉・飛行士

Serial Article
論語の「上司」論【最終回】
自信家の部下の個性を伸ばす〈2〉
齋藤 孝 明治大学 文学部 教授

OPINION
革新的イメージを生み出す精神
米沢富美子 慶應義塾大学 名誉教授

BRAIN FOOD
「トレード・ドレス」の価値
ベッツィー D.ゲルブ ヒューストン大学 C. T. バウアー・カレッジ・オブ・ビジネス 教授
パーサ・クリシュナムルティ ヒューストン大学 C. T. バウアー・カレッジ・オブ・ビジネス 准教授

CHIEF OFFICERS
既存モデルをゼロから見直し、スマート・イノベーションを目指せ
ローランド・ベルガー ローランド・ベルガー・ストラテジー・コンサルタンツ 名誉会長




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ご協力よろしくお願いいたします。






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