2013年05月04日 18:00
私の娘も小学生です。
早いものだと思いながら、
自分の小学生のときと同じことをやっているなと思うときもあります。
父も母も、祖父も祖母も、
かつて小学生でした。
そんなとき、
自分のじいちゃんが小学生のころに読んでいた本のことを知りました。
当然戦前日本のお話です。
その本の中からこれはいいなというお話を
みなさんにシェアしたいと思います。
野口英世は、三歳のとき、
炉にころがりおちて、ひどいやけどをしました。
母の一生けんめいのかいほうのかいがあって、
命だけは助かりましたが、
左の手に大きなきずが残り、指先のきかぬ不自由な体になりました。
五歳・六歳となって、
英世は、外に出て近所の子供たちと元気よく遊ぶようになりましたが、
きょうそうでもして英世が勝ったときなどは、
負けた子供たちは、くやしまぎれに、
英世のかたわの手を笑いました。
小学校に行くようになっても、
友達はやはり其の手を笑いました。
英世はそれをざんねんに思い、
「手は不自由でも、一心に勉強して、
きっと、今に、りっぱな人になって見せるぞ。」
とかたく決心しました。
英世は、うちがびんぼうでしたから、
毎朝早く起きて、
近所の小川や沼に行って川魚を取って来て売り、
其の金でふでやすみなどを買いました。
又、夜、本を読みたくても、
あかりをともすことが出来ませんから、
冬はろのたき火をたよりにし、
夏は学校の小使室に行って、ランプの光で本を読みました。
英世はこうして、ゆうとうで尋常小学校をそつぎょうしました。
それから、或人の世話で、
高等小学校に行くことが出来ましたが、
英世は、遠い道をかよって一生けんめいに勉強しましたので、
せいせきは一そうよくなりました。
其のうちに、人々の親切で、医者のしゅじゅつを受け、
手が余程自由に使えるようになりました。
手がよくなるにつけて、
英世は、医術の人を助ける仕事であることを知り、
医者の学問をして、世のため人のためにつくしたいという志を立てました。
そこで、高等小学校をそつぎょうすると、
さきにしゅじゅつを受けた医者にたのんで、
其の弟子にしてもらいました。
それからの英世の勉強は、一そうはげしくなりました。
医者の手伝をするひまに、いろいろ医学の本を読み、外国語のけいこまでしました。
其の後、英世は、東京に出て、
二十一歳の時、医者のしけんを受けますと、見事にきゅうだいして、
一人前の医者になりました。
それからますます研究を進めるために、
アメリカ合衆国に渡り、夜を日についでおこたらず勉強しました。
そうして、医学の上でりっぱな発見をして世界に名高い学者になりました。
又、いろいろのむずかしい病気をなおす方法をくふうして、人々を助けました。
昭和三年、アフリカへ渡って、
人の恐れる熱病を研究しているうちに、それがうつって、
五十三歳で、かの地でなくなりました。
人々は、英世をあっぱれ人類の恩人と言って惜しまぬ者はありませんでした。
おしまい。
自分のじいちゃんが小学生のころに読んでいた本。
この年になっても、
勉強になるなあと思えるお話がたくさんありますし、
子どもたちに伝えられたらさらにいいなと思って、
不定期にみなさんに紹介したいと思います。
じいちゃんが小学生の時に読んでいた本
早いものだと思いながら、
自分の小学生のときと同じことをやっているなと思うときもあります。
父も母も、祖父も祖母も、
かつて小学生でした。
そんなとき、
自分のじいちゃんが小学生のころに読んでいた本のことを知りました。
当然戦前日本のお話です。
その本の中からこれはいいなというお話を
みなさんにシェアしたいと思います。
野口英世は、三歳のとき、
炉にころがりおちて、ひどいやけどをしました。
母の一生けんめいのかいほうのかいがあって、
命だけは助かりましたが、
左の手に大きなきずが残り、指先のきかぬ不自由な体になりました。
五歳・六歳となって、
英世は、外に出て近所の子供たちと元気よく遊ぶようになりましたが、
きょうそうでもして英世が勝ったときなどは、
負けた子供たちは、くやしまぎれに、
英世のかたわの手を笑いました。
小学校に行くようになっても、
友達はやはり其の手を笑いました。
英世はそれをざんねんに思い、
「手は不自由でも、一心に勉強して、
きっと、今に、りっぱな人になって見せるぞ。」
とかたく決心しました。
英世は、うちがびんぼうでしたから、
毎朝早く起きて、
近所の小川や沼に行って川魚を取って来て売り、
其の金でふでやすみなどを買いました。
又、夜、本を読みたくても、
あかりをともすことが出来ませんから、
冬はろのたき火をたよりにし、
夏は学校の小使室に行って、ランプの光で本を読みました。
英世はこうして、ゆうとうで尋常小学校をそつぎょうしました。
それから、或人の世話で、
高等小学校に行くことが出来ましたが、
英世は、遠い道をかよって一生けんめいに勉強しましたので、
せいせきは一そうよくなりました。
其のうちに、人々の親切で、医者のしゅじゅつを受け、
手が余程自由に使えるようになりました。
手がよくなるにつけて、
英世は、医術の人を助ける仕事であることを知り、
医者の学問をして、世のため人のためにつくしたいという志を立てました。
そこで、高等小学校をそつぎょうすると、
さきにしゅじゅつを受けた医者にたのんで、
其の弟子にしてもらいました。
それからの英世の勉強は、一そうはげしくなりました。
医者の手伝をするひまに、いろいろ医学の本を読み、外国語のけいこまでしました。
其の後、英世は、東京に出て、
二十一歳の時、医者のしけんを受けますと、見事にきゅうだいして、
一人前の医者になりました。
それからますます研究を進めるために、
アメリカ合衆国に渡り、夜を日についでおこたらず勉強しました。
そうして、医学の上でりっぱな発見をして世界に名高い学者になりました。
又、いろいろのむずかしい病気をなおす方法をくふうして、人々を助けました。
昭和三年、アフリカへ渡って、
人の恐れる熱病を研究しているうちに、それがうつって、
五十三歳で、かの地でなくなりました。
人々は、英世をあっぱれ人類の恩人と言って惜しまぬ者はありませんでした。
おしまい。
自分のじいちゃんが小学生のころに読んでいた本。
この年になっても、
勉強になるなあと思えるお話がたくさんありますし、
子どもたちに伝えられたらさらにいいなと思って、
不定期にみなさんに紹介したいと思います。
じいちゃんが小学生の時に読んでいた本
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