2013/03/28
社会起業でスイスのFREITAGをめざす滋賀県のSTEED─仙台市障害者職業能力開発促進事業の多様な働き方検討連絡会に出席しました
先日、仙台MTビルにおいて、平成24年度仙台市障害者職業能力開発促進事業の
多様な働き方検討連絡会に出席しました。
社団法人滋賀県社会就労事業振興センターの
城貴志 事務局次長のお話で、
「三方よし」で仕事おこし─地域づくりの視点から考える障害者の就労支援
というお話でした。
大変勉強になりましたし、
障害者の雇用という一般市民から見れば特殊な世界を、
経営の視点を取り入れることによって、
一般化し、共生社会の実現を実際にやっているという意味で、
非常に新鮮な視点をいただきました。
「三方よし」
とは、近江商人の理念であり、
「売り手よし」
「買い手よし」
「世間よし」
という考え方です。
お話をされた城さんは、
福祉の受け手から担い手へ、
社会保障の対象者から納税者へ
という考え方が基本的にあり、
これは私も普段からメルマガで書いている
「共通価値の実現」や、
「公益経済の確立」
とも同じ話なのだろうと思います。
なかでも面白いなと思ったのが、
「ネットショップを活用した地域の企業・団体・複数の作業所との連携事業」
というものでした。
日本中央競馬会(JRA)の栗東トレーニングセンターでは、
年間5000枚もの馬につけられるゼッケンが捨てられていました。
これを知った城さんは、
作業所(障害者の方が働いているところ)で使用済みゼッケンと使用済み蹄鉄を、
洗って干す、紐をほどくといった作業をし、
また縫製をし、
ゼッケンバッグ
という形で商品化をしたのだそうです。
そしてこれはブランディング戦略も取り入れ、
「steed」
というブランド名でネット販売をしています。
実際の製品がどういうものかはこちらをごらんください。
WINS難波でも売っているそうですが、
これは社会起業としてみても非常に面白い発想ですね。
ほとんどの世の中のマスコミの方は取り上げていないようですが、
これは非常に先進的な取り組みだと思います。
スイスにFREITAG(フライターグ)というバッグブランドがあります。
これは、使用済みのトラックの幌や、
自動車のシートベルトなどを再利用して、
ひとつひとつハンドメイドでつくられたリサイクルバッグ。
一つとして同じものがない「1点モノ」ということで人気が高いようです。
この工程のなかで幌の洗浄などを障害者施設が担当しているそうです。
城さんのお話では、このSTEEDを、
スイスのFREITAGのようなブランドにしたい
とのことで、これは面白いなと思いました。
起業家の視点でもあり、
ビジネスを新たに始めようと考えている方は
ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
作業所と企業の接点をつくることで、
福祉・企業・行政が地域で連携し、
それぞれの分野にとどまらず、
相乗効果で新たなビジネスを生み出す。
これは今後めざすべき一つの取り組みだと感じました。
共に生きる方法をつくる、
そんな視点が必要だなあと感じました。
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