2018/11/30
文仁親王殿下お誕生日に際し(平成30年)文仁親王同妃両殿下の記者会見(全文)

秋篠宮さまは11月30日、
53歳の誕生日を迎えるにあたって記者会見に臨まれました。
様々な報道があり、
また週刊誌報道なども色々あったりするわけですが、
殿下がどのようなことをお話になられたのかということを
直接感じることが必要なのだと思います。
全文をシェアしたいと思います。
文仁親王殿下お誕生日に際し(平成30年)
文仁親王同妃両殿下の記者会見【宮内庁】
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【引用ここから】
文仁親王殿下お誕生日に際し(平成30年)
文仁親王同妃両殿下の記者会見
会見年月日:平成30年11月22日
会見場所:秋篠宮邸
問1
殿下にお伺いします。殿下は来年5月の代替わりに伴い,皇位継承
新たなお立場への抱負をお聞かせ下さい。
公務の在り方や分担について新天皇となられる皇太子さまとどのよ
殿下がどのようにお考えになられているのか,あわせてお聞かせく
殿下
最初の抱負ということについてですけれども,私は今まであまり抱
語ることは,口に出して言うことはありません。
ただ,何かの節目というよりも,折々にその抱負のようなものを考
これは,抱負になるのかどうかは分かりませんけれども,これから
時として,例えば毎年のように行われているものなどについては,
どうしても,前年度とか,その前の機会と同じようにすればいいと
これは私自身もそうなんですけれども,やはり,それら一つ一つを
自分の仕事,若しくは務めを,進めていくようにしたいと思ってい
あと,公務そのものについては,これは,例えば,天皇が海外,外
私は今までそれをしたことがありません。
今の皇太子殿下は,昭和時代に一度その経験があるわけです。
私はしたことがありませんけれども。今後はそういう機会は,必ず
一方,公的な活動について,来年の5月以降,今まで皇太子殿下が
今度は天皇になられると,それを併せてするということはできなく
一方,これは昨年のこの場でもお話をしましたが,私も自分で行っ
総裁とか名誉総裁をしているものもあります。それらをそっくり誰
これも,それを受ける先はありません。
そのようなことから,今,宮内庁として考えていることは,一旦全
それを整理をして,それで次に私がどのものをその後行っていくか
おそらくそれはそう遠くないうちに,発表されるのではないかと思
また,在り方については,公的な活動については,今お話ししたよ
在り方というものについては,恐らく,今後もっといろいろ話をし
分担というか,今の皇太子殿下と私のものというのは,ある程度こ
例えば宮中で行われる行事等については,それは平成の時代にも,
そういうものについては随時話合いを,既にしているものもありま
問2
殿下にお伺いします。天皇陛下の退位まで5カ月となりました。
この30年を振り返り,平成とはどのような時代であったと考え,
殿下
平成も30年,かなり長い期間になります。
それをこう振り返って総括するというのは,なかなか私にはできま
例えば平成の初めの頃,私も日本にいなかった時期もありますし,
例えばそういう時に,ニュースでベルリンの壁の崩壊であったりと
平成ということですので,日本のことになろうかと思います。
そうすると,いくつか思い浮かびますけれど,例えば,バブルが崩
失われた10年とか,その後も含めて20年とか言われますけれど
人々の生活のパターンというのが変わったなというのは,私なりに
また,これは大変残念なことではありますけれども,自然災害が非
そしてまた近年は,豪雨であったり豪雪もあります,台風などでも
そういう自然災害が,非常に多い時代だったなという印象がありま
あとこれは,恐らく1992年のリオデジャネイロのいわゆる「地
企業であるとか,もちろん自治体もそうですね,それから個人が,
それぞれが,環境に対してどういうことができるかというのを,真
そして,いろいろなITの発達,これは,それこそ私などは,昭和
それがいつの間にか,もういわゆるパーソナルコンピュータが普及
以前では考えられないぐらい,情報が入ってくるようになり,それ
また例えば,海外の事情なども,容易に知ることができるようにな
ある意味では,国の国境がボーダレスの時代になったなという印象
私自身はまだ,追い付いていかないところが少しありますけれども
そして,もう一つ挙げるとするならば,日本人が学術や芸術,それ
その次の両陛下のことについてですが,天皇陛下は即位以来,象徴
その象徴としての在り方について,常に模索し考えてこられ,そし
まさしく,その全身全霊でお務めを果たしてこられたと,私は思い
そして皇后陛下は,その陛下のお務め,それから立場を重んじ,更
これはなかなかできることではないと私は思い,お二方に深く敬意
そして,これは少し質問の趣旨から外れると思いますけれども,息
常に笑いのある,そういう温かい家庭を築いてくださいました。そ
問3
両殿下にお伺いします。眞子さまと小室圭さんとのご結婚に関する
小室家を巡るさまざまな報道もありますが,小室さんからどのよう
眞子さまの最近のご様子とともに,お二人の結婚についてのお考え
殿下
小室さんに関わること,これが毎週のように週刊誌等で報道されて
(記者に質問を確認されて)小室さんからの連絡ですか,どうでし
2,3か月に一度くらいでしょうか,時々もらうことがあります。
これは,娘と小室さんのことではありますけれども,私は,今でも
まだ,婚約前ですので,人の家のことについて私が何か言うのはは
やはりその今お話ししたような,それ相応の対応というのは大事で
やはり,今いろんなところで話題になっていること,これについて
そしてそれとともに,やはり多くの人がそのことを納得し喜んでく
私たちは,いわゆる婚約に当たる納采の儀というのを行うことはで
私が今お話しできるのはそれぐらいのことになります。
娘の,長女の様子についてですが,(妃殿下をご覧になって)どう
妃殿下
(殿下を振り向かれて)私は後でお話ししても。
今でよろしいでしょうか(殿下に確かめられる)。
記者
眞子さまの御様子についても,是非殿下から。
殿下
私は,最近はそれほど,娘と話す機会がないので,よく分かりませ
公の依頼されている仕事,それは極めて真面目に取り組み,一所懸
また平日は,博物館の方で仕事をしつつ,自分の関心,研究テーマ
記者
質問の中でございました,様々な報道に関して,小室さんからどの
殿下
小室さんから,報道について,その報道についてうんぬんという,
もちろん,ただその中に,今までにあった中で,これは事実とは違
ただそれについて,じゃあ何か行動を今するのかどうか,その様子
記者
同じ質問になりますけれども,妃殿下いかがでしょうか。
妃殿下
今,宮様から質問に対して具体的にお話をされているところもござ
また,娘の様子,そして,どのように感じているかについてお話を
昨年の夏から,様々なことがありました。そして折々に,私たちは
そうした中で,昨年の暮れから,だんだん寒くなっていく中で,長
そうした状況が長く続き,長女は大丈夫だろうか,どのような思い
しかしこのような中でも,長女は与えられた仕事を懸命に果たして
今年の7月には,公的な訪問,ブラジルへ行きました。それは,日
(殿下を振り向かれて)私たち自身も,以前にブラジルへ仕事で行
その時よりも長い距離を移動し,大変な日程であったと思いますが
それからも,都内や地方での幾つもの行事に出席し,それを一つ一
私は,本当によく頑張っているなと長女のことを思っております。
長女は,美術や音楽が好きなものですから,そして私も好きで,一
小さい時から,このように一緒に芸術にふれたり,語り合ったりす
今以前にも増して,このように長女と過ごす時間をとても大切に感
家族として非常に難しい状況の中にありますが,私は,長女の眞子
これからも,長女への思いは変わることなく,大切に見守りたいと
記者
殿下から添えられることは,お言葉はございますか。
殿下
今,妻が話しましたように,先ほどの私の抱負ではありませんけれ
問4
両殿下にお伺いします。
佳子さまの最近のご様子や大学卒業後のご活動,ご結婚についてど
皇位継承順位第2位となられる悠仁さまは今年広島を訪問するなど
今後の成長に寄せる期待と中学校の進学先についてのお考えもあわ
殿下
最初に次女のことですけれども,今大学の4年生になりまして,現
私は細かいことは知りませんけれども,夜遅くまでそれについての
それから・・・(妃殿下をご覧になる)。
妃殿下
(殿下を振り向かれて,確認されて)ふり返りますと,次女の佳子
約9か月だったと思います。英国の滞在生活では大学で幅広い分野
近くの行きたいと思っていた国,スペインやポルトガルへ友人と一
それを通して,次女は自分の視野を広げたり,また,自分の考えを
この数か月をふり返りますと,次女も幾つかの公的な行事に携わり
9月には国際情報オリンピックの開会式,その後に手話パフォーマ
大学を卒業してからは,宮中行事に出席することも多くなると思い
殿下
少しダブってしまいますけれども,大学卒業後はですね,次女にも
長女がそうしているように,次女にも一つ一つ大切に思いながらそ
もう一つ,これは既にそういうことがあるのかもしれませんし,私
大学卒業後に大学院への進学の希望を持っているかどうかも私は存
公的私的は別にしてですね,何かこう,ライフワークになるような
結婚についてですが,親の勝手な希望としては,それほど遅くなく
こればかりは,やはり御縁の関係もありますので,別に私からせか
いずれ本人から何か言ってくるかもしれません。そのような状況で
妃殿下
結婚についてですが,これから先,もし次女がそのような話があり
私も必要なところ,大事だと思うことがあれば,お互いの話合いの
殿下
(記者に質問を確認されて)その次は,長男のことでしたかね。長
記者
広島を訪問されたり,戦争の歴史と向き合っていかれたりとか,い
その成長をどのように感じていらっしゃるのかという点と今後の成
殿下
(妃殿下をご覧になって,悠仁親王殿下のことをお尋ねになって)
妃殿下
(殿下を振り向かれて)夏休みの社会の宿題で,歴史について調べ
殿下
それで,今まで長男は沖縄,長崎,小笠原に行っていますけれども
そういう何かまとめるに当たって,本人自身が是非広島に行きたい
そのように,かなり自主的に動くということをするようになってき
一方,自分の主張だけをどんどんするのではなくて,人の話にもき
その延長線上にあるのかもしれませんが,人のことを思いやる気持
私が非常におおざっぱではありますけれども,感じる成長というの
妃殿下
(記者に質問を確認されて)成長についてでしょうか。
先ほど宮様がお話をされていましたように,学習に対しての取り組
小学校の6年生でも夏休みの宿題・課題が多く出され,それは7月
自分で考え,広島はいつか機会があったときに家族で訪れることを
長男が,できれば(この夏に)広島を訪れて,資料館や関係者から
他にも理科の課題も出まして,火山,地震,防災がテーマだったの
自分の夏休みの過ごし方を,長男が自分で早めにいろいろと計画を
成長というのかどうか分かりませんが,すてきだなと感じているこ
学校で帰りの時間ですが,授業が終わった後の下校するまでの間の
これは「いいとこ見つけ」というのでしょうか,をしています。
そういうこともあるからでしょうか,家でも私たちのいいところに
ちょっと困ったり,どうしようかなと考えているときには言葉をか
殿下
(妃殿下をご覧になって)さっきの人を思いやるところともつなが
妃殿下
(殿下にうなずかれて)大事なときに言葉にすること,思うことも
言葉にして相手に伝えることの大切さを私たちが学んでいるような
後もう一つお話をしますと,長男は学校の家庭科の授業でお弁当実
殿下
(妃殿下を向かれて,お尋ねになって)調理実習じゃない?
妃殿下
(殿下を振り向かれて)調理実習かしら。(長男が)お弁当を友達
授業で学んだ料理や他にもいろいろな料理を作ってくれることが多
私たちも素直に,「とってもおいしい」,「これはどうやって作っ
長男は本当にうれしそうに,この食材とこの調味料を使って作った
殿下
(妃殿下をご覧になって)あと自家製の野菜も。
妃殿下
(殿下とうなずかれて)野菜作りしていますので,そうした野菜を
私たちがリクエストをすると,それにけなげに応えてくれます。
いくつかお話をしましたが,学習の面,生活の面で様々な成長が今
殿下
あと,進学先については,今もう11月の末になりますので,そう
それこそ進学先はいい教育をしてくれるところだといいなと,親と
妃殿下
進学先についての考えということですが,進学先については4年生
学校でも進路について,様々に考える機会を設けてくださいました
例えば,5年生のときにはお茶の水女子大学附属小学校の卒業生で
そして自分たちが進路に対してどういう考えを持ったか,進んだ中
そのように語る時間がありまして,そのときに子どもたちは,
卒業生,自分たちの先輩にいろいろな質問をして,それにお兄さん
小学校のこのような時間以外にも,いろいろな中学校があって,特
こうした中で,長男が自分の考えを深めることを大事にしてまいり
中学校でどのようなことを学びたいか,どのような活動をしたいか
その意見や希望を聞きつつ,話し合い,進学先について考えてきま
これからも長男の語る言葉に耳を傾けて,思いや気持ちを大事に受
殿下
(記者に質問を確認されて)あとは期待?
記者
今後の成長への期待。
殿下
いろいろあると思いますし,なかなか期待というと本人にも重荷に
どっちかというと,こうなってくれたらいいなと私が思っているこ
その中の一つを挙げますと,どうしても何か物事を見るときに一面
やはり様々なことというのは,いろいろな視点を変えて見ると全然
私は長男には,何か物事を見るときに一面的ではなくて広い視野,
妃殿下
小学生から中学生へと,恐らく学習環境や生活環境が大きく変わる
少しずつ新しい生活に慣れていけるよう,また,子どもの成長を支
問5
殿下にお伺いします。この1年を振り返り,印象に残る出来事とご
殿下
この1年もいろいろありました。まず先ほどと少し重なりますけれ
それは地震もありましたし,台風もありましたし,それから豪雨も
私自身はそれらの災害があった場所としては広島県に参りました。
まず最初に驚いたといいますか,広島の空港を出て,それから行っ
高速に乗ったときにいろいろなところで土砂崩れ,大きい土砂崩れ
こういう場所だということをですね,普段なにげなく広島の空港か
また,被害が大きかった小屋浦の方にも行きまして,そこで避難し
やはり避難している人たちにとってもこれほどの大きい災害になる
確かに川の脇を歩いていると,その川の水量が上がって,しかも流
水の力というのがこれほどまでにすごいのかということを改めて私
そして,今後どのようにして防災そして減災をしていくかというの
今,日本中どこでもその可能性はあるわけですので,それを考えて
また,今年は日本人がハワイに移住して150年になります。私は
ですから今回現地に行って,それから日系社会の人たちと話をし,
それから(日系社会の人たちは)今8世までいるわけで,8世はま
その人たちが日本について思っていることであったりとか,様々な
かなり音楽であったりとか,歌であったりとか,それから植物利用
いろいろその他ありますけれども,今年はノーベル生理学・医学賞
最近は日本人で受賞する人も多くて,「今年も」ということになっ
まだまだおそらく課題はたくさんあると思いますけれども,今後の
そして後は,先ほども日本人の活躍ということをお話ししましたが
少しだけ例を挙げれば将棋で藤井聡太さんもそうですし,15歳で
それから,オセロゲームも大幅に記録が更新されて11歳の福地啓
そしてテニスの大坂なおみさんが日本人としては初めてですかね,
その他もろもろオリンピック・パラリンピックもありましたし,い
関連質問1
殿下にお尋ねいたします。お代替わりに関する日程や規模について
先ほど殿下には皇嗣となられる公務の在り方についてのお考えをお
殿下
行事,そういう代替わりに伴う行事で,いわゆる国事行為で行われ
国事行為で行われるものについて,私が何かを言うことができるか
そういうものではないんですね。一方,皇室の行事として行われる
これは,幾つかのものがあるわけですけれども,それについては,
記者
具体的に。
殿下
具体的にもし言うのであれば,例えば,即位の礼は,これは国事行
ただ,大嘗祭については,これは皇室の行事として行われるもので
私はその宗教色が強いものについて,それを国費で賄うことが適当
その頃はうんと若かったですし,多少意見を言ったぐらいですけれ
今回も結局,そのときを踏襲することになったわけですね。もうそ
ただ,私として,やはりこのすっきりしない感じというのは,今で
一つの代で一度きりのものであり,大切な儀式ということから,も
公的性格が強い,ゆえに国の国費で賄うということだと。平成のと
ただ,今回もそうなわけですけれども,宗教行事と憲法との関係は
ただ,それをするためには相当な費用が掛かりますけれども。
大嘗祭自体は私は絶対にすべきものだと思います。
ただ,そのできる範囲で,言ってみれば身の丈にあった儀式にすれ
少なくとも皇室の行事と言っていますし。そういう形で行うのが本
ただ,残念ながらそこを考えること,言ってみれば話を聞く耳を持
そのことは私は非常に残念なことだったなと思っています。
関連質問2
眞子様と小室さんの御結婚に関する質問のお答えの中で,「相応の
これは,お二人の結婚の意思が今も非常に堅くて,そのお気持ちを
殿下
それとは少し違い,それを支えていくという意味でお話ししたのと
あの時の質問は,恐らく小室さんについての報道のことと,それか
やはりそれ相応の対応というのはこちらの対応ではなく相手側の対
その後にお話ししましたように,やはりきちんと,どういうことな