2016/10/30
「安倍政権改憲『反対』55%」だが、改正「必要」は過半数という新聞記事について
世論調査の結果をよく読んでいます。その数字がどう変化するか、
質問の文章に変化はないか、
そして何よりも私自身の政治的思考と
世論がどうずれているかを見ています。
もちろん、ずれているからといって
必ずしも世論に合わせる必要はないのですが、
ズレの認識そのものは大事だと思っています。
昨日10月29日の河北新報朝刊に、
共同通信の世論調査の結果が出ており、
その記事のタイトルが、
「憲法公布70年世論調査/安倍政権改憲『反対』55%/
というものでした。
憲法改正に対して過半数が反対しているのかと
違和感を抱きながらよく読んでみると、
以下のように詳細な世論調査の質問と数字が出てきたので、
さらに驚きました。
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【引用ここから】
問2 あなたは憲法を改正する必要があると思いますか、
改正する必要がある 20
どちらかといえば改正する必要がある 38
どちらかといえば改正する必要はない 25
改正する必要はない 15
無回答 2
問8 安倍晋三首相は自身の任期中の憲法改正に意欲を示してきました。
あなたは安倍首相の下での憲法改正に賛成ですか、反対ですか。
賛成 42
反対 55
無回答 3
【引用ここまで】
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問8を見ると確かに、
「安倍政権改憲『反対』55%」
なわけですが、
問2を見ると、
「どちらかといえば」も含め「憲法を改正する必要がある」
「どちらかといえば」も含め「憲法を改正する必要はない」
つまり、
「
あなたは安倍首相の下での」
という前提をつけると、42VS55。
前提をつけないで憲法改正についてたずねると、58VS40。
ということになるわけです。
しかしちょっとだけ記事のタイトルを見ると、
「安倍政権改憲『反対』55%」
過半数は反対しているんだなあとなりますね。
さらに驚くのは、
同じ河北新報の「ウェブニュース」では、
同じ内容の記事にもかかわらずタイトルがちがったのでした。
「安倍政権下での改憲に反対55% 改正「必要」は過半数」(河北新報2016年10月29日)
⇒ http://www.kahoku.co.jp/
こちらのほうが数字に正確なタイトルですね。
同じ数字でも印象がちがう記事タイトルになるということを、
知ってしまいました。
私は一読者にすぎませんが、
河北新報愛読者としては、
ウェブニュースのほうの記事タイトルのように、
数字に正確なものにしてほしいなと思った次第です。