今週末からゴールデンウィークです。
ふだんは分単位の予定を刻み、ビジネスに追われている方も、
五月上旬までは少し余裕ができることでしょう。
こんな時にわずかの細切れ時間を使って、
読書をし、5月以降の自分の糧をつくっておくことは大事なことと思います。
このメルマガでは毎年恒例のことですが、
お休みの合間に私渡辺が読んでみようかなと思っている本、
そして周囲からおすすめされている本、
そして私の大学の後輩である大西氏おすすめの本を、
複数回にわたってお伝えしようと思います。
この中から早速Amazonや近所の書店などで購入していただき、
ゴールデンウィーク期間中に英知を養っていただければ幸いです。
GWに読むオススメの本その1(13/4/26)GWに読むオススメの本その2(13/4/27)11、高橋淳二『「デフレ脱却」は危ない~アベノミクスに突きつけられるジレンマ』『デフレ脱却は危ない』(13/4/7)以前このメルマガでもご紹介しました本書ですが、
賛否両論のご意見があるようです。
日経平均株価も14000円台が目前に迫るところまで来ました。
アベノミクスの一つ目の矢、
大胆な金融緩和について一般に言われている視点とは
異なる見方で書かれている本です。
ひとつの政策がすべてを解決できるとは限らず、
副作用がある場合もあります。
問題点が生じる可能性も予測しつつ、
取り組んでいかなければなりません。
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【引用ここから】
デフレは排除すべき悪となりつつありますが、そもそも日本がデフレであることに何らかの「因果」はないのでしょうか。
空前の規模で膨らみ続ける政府債務。にもかかわらず、低金利が進み、日本国債暴落や極度の円安などのおそれは微塵も感じません。「国債は自国通貨建てで海外依存度も低いから破綻しない」、「いや! これ以上膨張すれば破綻する」、いずれも傾聴に値する議論ですが、どれも物足りなさは否めません。この問題は、幾多の経済学者達が解明に挑みながら答えに辿り着けない迷宮と化しているようです。
本書では会計実務家の視点で、「数パーセントの物価上昇が達成されたときに、日本では何が起きるのか」を解説し、デフレ脱却のゴリ押しが引き起こす『新種の課題』について掘り下げて、未だほとんど知られていない日本経済の「本当の病理」を解明します。
第1章 実務家目線の経済学
まるでヌカにクギ「金融政策」と、どっぷり依存症「財政政策」/ええい、ニッポンの物価は化け物か! /借金は通貨を増やし、GDPも増やす/絶望的なプライマリーバランス
第2章 無敵の日本国債でも起こりうる財政破綻
あえて言おう、エセ借金であると! /財政破綻の形は一つではない
第3章 金融システムの壊死
たかが金利の上昇くらいで、なぜ国債が暴落するのか/金利上昇による国債暴落、打つ手はあるのか/中央銀行は無限のパワーを持っているのか
第4章 政府債務膨張型破綻の正体
俗説的な財政破綻論はレベルが低すぎる/政府債務膨張型破綻の正体/日本だけが突出して政府債務を増やせる理由
第5章 破綻を回避し続ける日本経済の行方
日本円も地に堕ちたものだな/日本経済のさまざまな苦境は政府債務の崩壊防止のためにある/「操作されたGDP」のツケ
第6章 停滞から脱する妙案は見つかるか
政府債務が巨額のまま景気回復できるのか/見えるぞ、私にもエセ濃度が見える! /健康体・日本経済へのはるかな道のり
日本は人類史上初の異常な経済状況に陥っています。既存の経済学がうまくフィットしないのも当然で、だからこそ奇説・珍説が一見すると成立してしまいます。しかし、何の理論的裏づけも無く統計数字を都合よく並べ、もっともらしい言説を撒き散らすのは考えものです。
誰が真実を述べているのか、デフレ脱却政策賛成派にも懐疑派にも、正しい知識で厳しく論者を選別してもらいたいと切に願います。
【引用ここまで】
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12、乙武洋匡『自分を愛する力』(講談社現代新書)自己肯定する力が強ければ、
人には強い力が備わるという話を聞いたことがあります。
『五体不満足』で有名な乙武さんの新書ですが、
乙武さんがどういう人か知らなくても、
なるほどなあと思える内容ですね。
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【引用ここから】
なぜ僕は、生まれつき手足がないという障害を受けいれ、苦しむことなく、かつ明るく生きてくることができたのか──。
乙武さんがたどりついたのが「自己肯定感」という言葉。
「自分は大切な存在だ」と思う、この「自分を愛する力」について、息子として両親の愛に満ちた子育てを振り返り、
教師として現代の親子が抱える問題を見つめ、父親として自らの子育てを初めて明かしながら考察していく。
『五体不満足』著者による初の新書。
息子として─両親の愛に満ちた子育てを振り返り、
教師として─現代の親子が抱える問題を見つめ、
父親として─自らの育児を初めて明かす。
対談「自分を愛せない人への処方箋」も収録。
【引用ここまで】
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13、伊藤真『深く伝える技術』法学部出身の方なら誰もがその名前を聞いたことがあるであろう、
伊藤真さん。
最近話題の芦部の憲法よりも有名かもしれませんね。
深く伝えることはふだんのビジネスにおいてもなかなかできることではありません。
政治家であれば毎朝街頭に立っていても、
深く伝えられているかといえば、そうはなかなかいきません。
伊藤真さんによれば、「深く伝える」とは、
情報などをただ伝えるのではなく、
知恵や考え方など自分の「本質」部分を伝えることが大事なのだそうです。
そして相手の行動が変化して初めて「深く伝えられた」となるのだとか。
政治家、経営者だけではなく、
日々の生活で「深く伝える」ことを考えたいものです。
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【引用ここから】
私たちは、日々、さまざまなことを伝え合っています。
伝えることはコミュニケーションの要であり、それは人間関係、ひいては生きていくために必要なもの。
なのに、なぜ、「本当に伝えたいこと」が伝わらないのでしょうか──?
本書では、「伝えるプロ」として30年以上活躍する、司法試験界の「カリスマ塾長」が、「深く伝える」ことについて伝授します。
「深く伝える」とは、情報などをただ伝えるのではなく、知恵や考え方など、自分の「本質」部分を伝えること。
そしてそれによって、相手の行動が変化すること。
そこまでいって深く伝えることになるのだと著者はいいます。
そのために、何をすればいいのか。どんな考え方をもてばいいのか。
本書ではそれがあますところなく書かれています。
「深く伝える」ことについて意識したなら、きっと人生はよい方向に変わっていくはずです。
自分が伝えたい思いの「海」があると、想像してみてほしい。
その「上澄み」部分だけをサッとすくって伝えるのではなく、意識の深いところに降りていき、そこから真の思いを汲んで、それを相手の深いところに渡す。
「深く伝える」ということを、私はこのようにイメージしている。
──「はじめに」より
(本書目次より)
・「相手を動かそう」としてはいけない
・相手が「今は望んでいないもの」まで考え抜く
・頭の中で「変換」しやすい伝え方のコツ
・ありのままに言うことがすべてではない
・わざと「わかりにくい講義」をする理由
・「アリストテレスの三要素」で説得する
・なぜ最初に「相手の言い分」を聞くべきなのか
・ある人気講師の話し方の秘密とは?
・「表情」で損をしてはいませんか?
・「本当に伝えたいこと」は「いつか必ず」伝わる
【引用ここまで】
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14、スティーブン P. ロビンズ、清川幸美翻訳『マネジメントとは何か』世界一のマネジメント教科書と言われている一冊。
わかりやすく面白いということで定評のある、スティーブンロビンズの一冊です。
たとえば本書にはこんな一節があります。
マネジャーが従業員との信頼関係を築くのに有効であるとわかった行動について。
◆信頼関係を築くのに有効であると示された行動
1.オープンであること
2.公正であること
3.気持ちを伝えること
4.真実を告げること
5.一貫性を示すこと
6.約束を守ること
7.秘密を守ること
こんな形で具体的にわかりやすく書かれているということで、
管理職の方々はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
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【引用ここから】
世界一わかりやすいマネジメントの教科書
累計600万部超を誇る世界一のマネジメント教科書作家による、実践的な組織マネジメント解説書。
マネジャーを悩ますさまざまなケースについて、
学術研究に基づく59の真実を鋭い分析と専門用語を使わない明快な言葉で解説する。
本書は、世界中で累計600万部を売り上げたマネジメント教科書の著者、スティーブン P.ロビンズによる
実践的な組織マネジメント解説書「THE TRUTH ABOUT MANAGING PEOPLE」の最新版。
採用や業績評価、モチベーションの高め方やチーム作りなど、
常にマネジャーの頭を悩ますさまざまなケースについて、
学術研究に基づく59の真実を、タブーをも恐れない鋭い分析と明快な言葉を用いて論じている。
「研究成果を、専門用語を使わずに教える」というポリシーのもと、
具体的なシーンなどを織り交ぜながら書かれているので、
身近なイメージを浮かべながら実践的な組織マネジメントが学べる、マネジャー必読の一冊。
●はじめに
●第1部 採用
●第2部 モチベーション
●第3部 リーダーシップ
●第4部 コミュニケーション
●第5部 チーム作り
●第6部 衝突の処理
●第7部 職務設計
●第8部 業績評価
●第9部 変化への対応
この本は、現にマネージャーである人々と、チームリーダーからCEO(最高経営責任者)まで、
人を管理する職に就きたいと考えるすべての人たちのためのものだ。
部下の管理についての真理を学ぶのに、人事や組織行動学の詳しい教科書を読み通す必要はない、
との思いからこの本を書いた。
端的に事実を知るのに、有名大学のエグゼクティブ研修コースを受ける必要もないはずだ。
この本から何かを得るかは、もちろん、読者が組織行動学について何を知っているかによる。
たとえば最近MBA(経営学修士号)を取った人にとっては、
何ヵ月もかけて学んだ事実の非常に簡潔なまとめになるだろう。
理論を詳細に論じたり、著名な研究者の名前を挙げたりはしてはいないが、
研究成果を正確に解釈したつもりだ。
最近の組織行動学の研究成果に通じていない人、
あるいは正式な教育機関で行動学を学んだことがほとんどない人は、
職場でのマネジメントについての新しい考え方をたくさん見つけるはずだ。
五十九のケースはそれぞれが短い一章となっている。
各章は基本的に他の章から独立しているので、好きな順に読むことができる。
一番の魅力は一気に読み通す必要がないことだ。
何回にも分けて少しずつ短時間で読めるように構成されている。
二、三章読んで、いったんページを閉じ、また何日か経ってから手に取ってもいい。
続けて読まざるをえない筋書きなどはない。
最後に、当然のことだが、本というものはチームプロジェクトだ。
表紙に載るのはただ一人の名前だが、この本が読者の手に届くまでには多くの人々の協力があった。
このチームにはティム・ムーア、ジーン・グラッサー・レヴァイン、
ジョヴァナ・サン・ニコラス=シャーリー、エイミー・二─ドリンガーの各氏にご参加いただいた。
スティーブン・P.ロビンズ
(「はじめに」より)
【引用ここまで】
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15、林英臣『心の的を射る人・外す人 -上司を救う「心のワクチン」!-』林英臣政経塾で多くの教えを私もいただいている、
林英臣先生の著書。
どんな仕事をしていても、
相手の心を射ることができれば成功できますが、
そうでなければ難しいものです。
ここで、
「助けたら知らぬ振りをすること」
というお話をみなさんにシェアしたいと思います。
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【引用ここから】
助けたら「知らぬ振り」をすること
なかなかできない「知らぬ振り」(24頁-26頁)
説得について、さらに『韓非子』から学んでいこう。
コンサルタントがトップを助けたら、後は「知らぬ振りをしろ」という教えがある。
「相手(君主=トップ)が知能を自慢したいと思っている場合、
知識を補える別の似た例を挙げて、十分な素地をつくってやりなさい。
相手がそれを参考資料として採用したら、知らぬ振りをして知恵を助けきること。」(『韓非子』説難)
ここでのポイントは、「別の似た例」と「知らぬ振り」にあるだろう。
前者は、トップの教養を広げるための援助となり、
後者は、知らぬ振りによってトップのカリスマ性を完成させることになる。
一切がトップ自身の努力・精進の結果であると、
皆に思わせなければ、本当に助けたことにはならないというわけだ。
トップや上司を助けるため、参考資料を提供することくらいなら誰でもできる。
だが、知らぬ振りをするのは、なかなかできることではない。
「あの一件は、自分が助けたのだ」
と、つい自慢したくなる。
黙っていられず、つい誰かに喋ってしまう。
それが、人の心というものだ。
トップのカリスマ性を高めるのが任務
作った料理を食べるのは料理人ではない。建てた家に住むのは大工ではない。
チャンピオンになるのは選手であって、監督でもコーチでもない。
同様に補佐したことで喝采を浴びるのは、
あくまでもトップであってコンサルタントではないのだ。
出過ぎないで、陰に徹するということ。
それもまた、プロの世界の一つの姿だろう。
コンサルタントは、それが経営であれ政治であれ、
トップのカリスマ性を高めるのが任務である。
そのタイプやキャラクターにもよるが、
基本は「縁の下の支援者」が役目ではないかと思う。
そして、その分トップは、陰ながら支えてくれるコンサルタントや側近、
ナンバー2らへの労いを、決して忘れてはならないのである。
陰に回ることの多い彼らにとって、
苦労に耐えられる唯一の心の支えは、
「トップに必要とされ、感謝されている」
という確信にあるからだ。
【引用ここまで】
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林英臣先生は、我々若手政治家に対する政経塾以外にも、
経営者対象に全国各地で講演を行っていらっしゃいます。
ご関心のある方は、林先生のメルマガをどうぞ。
⇒
http://archive.mag2.com/0000149323/index.htmlメルマガからもたくさんのことを学べます。
しかし、学ぶだけではなく、そこからどう行動していくかが大事ですね。
3日間にわたっておすすめ本を紹介してきました。
ゴールデンウィークにこれらたくさんの本を読むことは大事ですが、
GW明けからその知識をどう行動に生かしていくかということが、
重要なのだと思います。
みなさん、どうぞよい休日を!
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【引用ここから】
上司を救う「心のワクチン」! ウイルス退治77話。
相手の「心の的」を射よ!。説得の最後にトドメを刺せ!。
自分よりも志の大きいものは動かせない。
トップの十の誤り。優しすぎると国を亡ぼす。人は「ちょっと得すること」に弱い。
粋な客、野暮な客。生き残るのは天地自然流の経営。
【引用ここまで】
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