2010/02/15
人口減少でサッカーも弱くなるのか?
twitterで、サッカー日本の低迷、オリンピックのメダル減少は、少子化が一つの理由ではないかとつぶやいてみたところ、いろいろ反響があったのですが、今日営業の合間にふらりと立ち寄った本屋でおもしろい本を見つけたので、思わず購入。原田泰『日本はなぜ貧しい人が多いのか―「意外な事実」の経済学』(新潮選書、2009年)
原田さんは、大和総研のチーフエコノミスト。74年東大農卒業後、経済企画庁入庁、内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官などを経て現職。
この本は、人々が思い込みにとらわれているテーマを、事実によって、また経済学によって説明していて、なかなか興味深いです。「高齢化で医療費増は本当か」、「日本の教育論議は、なぜ『信念の吐露』にすり替わるのか」「なぜ中国は急速な成長ができるのか」などなど。
サッカーについては、ちょうど同じテーマで書かれていたので、なるほどと思いながら読む。人口が減少すると、日本では運動能力に優れた人材が減少してしまうんでないか、という仮説です。
昔から、
所得分配の不平等な国ほどサッカーが強い
という説があるそうです。日本とアメリカでサッカーが弱いのは、サッカーママが芝生のグラウンドに子どもを連れて行ってあげるからという説があるんだとか。これが本当か?というところから始まる。
FIFAランキングでみると、1位はブラジル、日本は48位。所得分配は、世界銀行が計算するジニ計数を使う。この二つのデータを見てみても、不平等度が高まるほどFIFAランクが上昇するという関係は見られなかった。
また別に、
豊かであるほどサッカーが強い
という説もあるのだとか。そこで、人口、一人当たり所得、所得分配についてのみ考える。すると、
人口が多いほど、一人当たり所得が高いほどサッカーは強いが、所得分配が不平等でもサッカーは強くならない
ことがわかるわけです。係数を計算すると、人口が倍になるより、一人当たりGDPが倍になったほうがサッカーが強くなるということもわかると。
↓
第51回「所得分配の不平等な国はサッカーが強い?」(NIKKEINET 2006/09/22)
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/harada.cfm?i=20060920c3000c3
経済の話で、数字が出てきたりするとややこしいのですが、主張が常に正しいとは限らず、事実で分析することが大事な時もあるわけです。まあしかし、「事実」を歪曲する人もいたりするので、常にだまされないようにしないといけないわけですが。
サッカーが強くなるには、国が豊かになることも、サッカー人口を増やすことも大事だと思いますが、結局のところ、肉食男子が増えなければだめなのではないかなあと、この動画を見て感じました。
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Soccer Comedy
http://www.youtube.com/watch?v=wuEcLjbUS1E